従業員が心身ともに元気で意欲的に働け、さらに業績アップにつながることから注目を浴びているのが「健康経営」の推進です。
健康経営は企業が従業員の健康増進のための取り組みを積極的に行うことを意味します。
この記事では、企業が健康経営の一環としてスポーツジムの法人会員を契約するメリットや自社にあった法人会員サービスを選ぶためのポイントなどについて解説します。
目次
法人会員とは、企業や団体が法人として契約を結んでいるサービスを提供する企業へ、法人名で入会した人のことです。企業の従業員や団体に所属している個人が利用できます。
法人が会費を納めることで利用できる法人会員には、利用者が無料でサービスを受けられるタイプと利用料が割引になるタイプの2種類があります。さらに、法人会員サービスは、従業員の福利厚生に関するサービスと以下のように企業活動に関係するサービスとの2つに分類できます。
企業活動に関係するサービスとしては、レンタカー会社、ロードサービス提供会社、カード会社、経済メディアなど多様な法人会員サービスがあります。
例えば、レンタカー会社やロードサービス提供会社の法人会員になると、特定のドライバーを限定せずに車両単体での登録と利用ができるサービスなどが受けられます。また、複数の従業員が契約した車両やロードサービスを利用でき、外回りの営業活動などを行う際に便利です。
カード会社の法人会員は、ビジネス向けのサービスが付帯する法人クレジットカードやETCカードなどを利用できます。出張などの際に利用できる飛行機や特急列車の予約サービス、ホテルの割引サービス、海外旅行の損害保険付帯サービスなどが法人カードの一般的な付帯サービスです。法人カードのなかには、会計ソフトとの連携機能がついていて、経理業務を効率化できるものもあります。
また、経済メディアの法人会員になれば、従業員がメディア独自の電子書籍や動画などで最新のビジネス情報を入手できるようになるので、従業員のレベルアップに役立つでしょう。
従業員の福利厚生に関するサービスとしては、スポーツジムの法人会員やゴルフ場の法人会員権などがあります。
スポーツジムの法人会員になると、お得にジムに通ってリフレッシュすることができ、さらに福利厚生費として計上可能です。
ゴルフ場の法人会員権は取得した会員権が無記名式の場合には、その企業の従業員であれば誰でもプレーが可能です。福利厚生だけでなく、接待にも利用でき、交際費などで計上できます。
以上のように、一口に法人会員といっても多種多様なサービスがあるので、自社にどのような法人会員を導入すればよいか迷ってしまうかもしれません。そのような場合には、経営の観点から導入すべき法人会員を考えてみるとよいでしょう。
従業員の満足度を上げて、従業員に気持ちよく働いてもらうためには、福利厚生の充実が欠かせません。この福利厚生の充実と密接に関係する経営手法として、今注目を集めているのが「健康経営」です。
健康経営とは、経営的な視点に立って、従業員の健康を管理したり増進したりする取り組みを、企業の戦略として実践していくことを指します。
健康経営のメリットは、従業員の健康を増進して、病気が理由の欠勤者や退職者を減らすことだけではありません。健康経営によって従業員の満足度、定着率、やる気が上がり、企業の生産性、業績、価値が向上し、ひいては企業イメージがアップして優秀な人材が集まることにもつながります。
健康経営の観点で福利厚生を充実させることは重要ですが、なかでも健康に関する福利厚生は従業員からの人気が高く、利用率も高いため、ジムの法人会員を導入することは、健康経営を推進する上でもおすすめです。
(参照)RIZAP福利厚生とヘルスケア調査レポート2022より
毎年の定期健診やストレスチェックで従業員の健康状態を確認していても、健康増進への取り組みが行えていなければ健康経営を推進できません。ジムの法人会員となって『運動ができる環境を整える』ことは、健康経営の土台をしっかりとつくるために有効な手段であると考えられます。
スポーツジムの法人会員を契約した場合に、健康経営の観点から得られるメリットとしては、主に以下のようなものがあげられます。
プレゼンティーイズムとは、従業員が何らかの健康問題を抱えているために、出勤はできるけれども業務能率が上がらず、生産性が下がってしまう状況です。プレゼンティーイズムは、健康関連のコストがかかっている状態とも言えます。
一般的にプレゼンティーイズムの原因として以下の原因が考えられます。
【運動器・感覚器障害】
【メンタルヘルス不調】
スポーツジムの法人会員を導入すれば、個々の従業員がジムを利用して望ましい運動習慣を身につけることが期待できます。ジムで行う適度な運動には、メンタルヘルスの不調を減らしたり、生活習慣病を予防したりする効果があるので、プレゼンティーイズム解消につながります。
このように従業員一人ひとりの健康課題を解決することで健康関連コストが下がり、企業の生産性が向上します。
従業員が同じスポーツジムを利用することによって、トレーニングなどに関連する話題を共有するコミュニティが生まれ、従業員同士の会話も弾むでしょう。
所属するコミュニティが増えることで、社内コミュニケーションが活性化し人間関係が良くなることが見込まれます。
健康やスポーツに関する福利厚生の充実は、多くの従業員が求めているものなので、スポーツジムがお得に利用できるようになれば、従業員の満足度が向上、さらに離職率の低下が期待できます。
また、健康やスポーツに関する福利厚生が充実していて、離職者が少ないことを求職者にアピールできれば、求人募集に応募してくれる人の数が増え、採用効率がアップするはずです。
このように、スポーツジムの法人会員となって福利厚生を充実させることで、従業員の満足度向上・離職率低下、求人応募者数上昇というように企業イメージを向上させるための好循環が生まれます。
スポーツジムの法人会員の会費は、税務署に福利厚生費として認められれば、経費で落とせるので法人税の節税効果が見込めます。税務署から認められるためには、法人契約を結ぶ、全社員が利用可能である、福利厚生規程に盛り込むなどの対策が必要です。
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ジムごとに法人を対象としたサービスが異なるので、どこのスポーツジムの法人会員になるかを決める際には、しっかり比較検討した上で自社にあった法人会員を選ばなければなりません。
ここでは、法人会員を選ぶポイントとなるサービス形態と料金プランについて紹介します。
スポーツジムの主なサービス形態には、パーソナルトレーニングジム、24時間ジム、総合型ジムの3種類があります。
パーソナルトレーニングジムは、予約制で一人のパーソナルトレーナーが一人の利用者につき、トレーニングに関する指導やアドバイスを個別に行うタイプのジムです。予約制であり、1人1人に対してトレーナーが管理してくれるため、さぼりにくいというメリットがありますが、料金が高額になるというデメリットがあります。
確実に生活習慣を変えて結果を出したい場合や、今まで何度も挫折経験がある・健康に無関心な従業員が多い場合におすすめの形態になります。
24時間ジムとは24時間休まずに営業しているジムのことです。深夜でも早朝でも時間を選ばず自由に利用できるというメリットがありますが、スタッフが常駐しているわけではないので、トレーニング経験が浅いと利用しにくいというデメリットがあります。
従業員がシフト制であったり勤務時間が不定期の場合には最も通いやすい環境になります。
総合型ジムはトレーニング用のマシンだけでなく、スタジオやプール、シャワーなどの設備が整っているジムです。ヨガ、ピラティス、ストレッチ、ダンス系や格闘技系の有酸素運動、水泳、アクアビクスのような多彩なレッスンプログラムが受けられるというメリットがありますが、会員数が多いために施設内が混雑しがちというデメリットがあります。
従業員の年代や健康意識がバラバラの場合に、様々なニーズを網羅できる総合型ジムはおすすめの選択肢になります。
法人会員の料金プランには、主に月額固定型、従量課金型、チケット制、福利厚生サービス利用型という四つのタイプがあります。
法人とスポーツジムとの間で契約を交わし、従業員がジムを利用する際に、毎月決まった金額を法人がジムに支払うことで利用できるのが月額固定型です。会員制とも呼ばれ、福利厚生費の予算を立てやすいのがメリットですが、従業員が全く利用しない場合でも会費を取られるというデメリットがあります。
または、企業は法人契約のみを行い、利用する従業員が個人でオトクに会員として契約できるような形態もありますが、その場合は健康に無関心な層を動かすことは難しくなるというデメリットがあります。
法人とスポーツジムとの間で契約を交わし、ジムを利用する従業員の人数や利用頻度に応じて法人がジムに支払う料金を決定するのが従量課金型です。福利厚生費にいくらかかるのか事前にはわからないという怖さはありますが、利用者が少なかった場合には余計な費用をかけずに済みます。
法人とスポーツジムとの間で契約を交わし、法人がジムの期限付きの利用チケットを一括購入するのがチケット制です。予算の計上がラクなのがメリットですが、期限内にチケットを使いきれないと無駄になるというデメリットがあります。
法人と福利厚生倶楽部(リロクラブ)のような福利厚生サービス企業との間で契約を交わすことで、従業員がスポーツジムの無料券や割引券を入手して、ジムをお得に利用できるのが福利厚生サービス利用型です。ジム以外にも特典を受けられるサービスが豊富なのがメリットですが、他の特典に目を奪われて従業員がジムに行ってくれない可能性が高まるというデメリットがあります。
ここではサービス形態ごとに2つずつ、おすすめのジムを選んで紹介します。
RIZAPは約18万人のボディメイク実績にもとづいて確立した独自のトレーニング方法を利用者の年齢や体力に合わせてカスタマイズし、誰でも無理なく専属トレーナーとともに健康づくりに取り組むことができるパーソナルジムです。
RIZAPの法人会員サービスを利用すると、従業員とその家族がRIZAPの7つのブランドにお得に通うことができます。RIZAPの店舗数は全国119店舗(2022年9月末現在)ほどあります。
法人契約の料金特典とホームページは以下に記載しますのでご確認ください。
参照:https://business.rizap.jp/service/houjin/
24/7Workoutは、3食食べるダイエットで食事制限をしないことをモットーに掲げています。手ぶらで通えるパーソナルトレーニングジムで、店舗数は全国に75店舗ほどです。法人向けサービスとしては、健康セミナーを開催しています。また、パーソナルトレーニングとオンラインフィットネスというタイプが異なるサービスを展開しています。
法人契約の料金特典とホームページは以下に記載しますのでご確認ください。
※6ヶ月の長期契約にて割引適用となります
参照:https://247-workout.jp/corporate/
chocoZAPは世界初のコンビニジムで、RIZAPの法人会員になると、従業員とその家族が利用できるRIZAPブランドのうちのひとつです。店舗数は全国に200店舗(2022年12月時点)で、着替えや履き替えをしなくても、24時間365日いつでもすべての店舗でトレーニング用のマシンやエステなどが使い放題で利用できます。
体組成計やヘルスウォッチとアプリの連携などで、体の状況が可視化でき、さらにメールやアプリでの会員への手厚いコミュニケーションでモチベーションアップができるのが特徴です。
法人契約の料金特典として 入会金・事務手数料 5,000円(税込)が0円になります。
また、全従業員が毎月オトクに通えるプランもあります。
参照:https://business.rizap.jp/news/891/
エニタイムフィットネスは、アメリカ生まれの24時間ジムです。世界中に店舗を展開しており、いつでもどこでも相互利用できるのが強みで、日本国内だけでも店舗数が1000店舗以上あります。法人契約については、できる店舗とできない店舗があるので、契約を検討している店舗に問い合わせる必要があります。
参照:https://www.anytimefitness.co.jp/faq/a43/
コナミスポーツクラブの法人会員になると、コナミスポーツクラブが近くにない場合でも、全国の提携しているスポーツ施設を利用できます。法人向けに月会費制度や1回毎に支払える都度利用制度が設けられ、お得に施設を利用できる都度利用回数券もあります。店舗数は全国に153店舗あります。
法人契約の料金特典とホームページは以下に記載しますのでご確認ください。
参照:https://www.konami.com/sportsclub/corp/
ゴールドジムは世界30か国に700以上の店舗を構える国際的な総合型ジムです。法人会員には、有効期限が1年間のチケット方式と会員証方式があり、世界中の全店舗を使えるマスターと契約店舗のみが使えるレギュラーの2種類のうちどちらかを選択できます。
さらにウェルカムメール配信サービスがあるため、定期的な利用促進が見込めるほか、店舗数の多さから国内のみならず海外への出張や赴任時での利用も可能です。
法人契約時の料金特典については下記をご確認ください。
●マスター(全国)
●レギュラー(単店)
参照:https://goldsgym-m.jp/houjin/
企業がスポーツジムの法人会員となることで、従業員が運動できる環境を整えることは、健康経営の土台づくりとして有効な手段になり得ます。
企業が健康経営を推進し、福利厚生でスポーツジムを導入すれば、従業員の満足度が上がって定着率も上がり、企業の価値や業績もアップするでしょう。