労働生産性を見つめ直す | 向上への経営戦略と具体的な施策

日本の労働生産性は、世界の国々の中でもあまり良くないとされ、国際競争力を高める観点から、労働生産性の向上が課題となっています。また、厳しいコロナ禍で企業が生き残るためにも、労働生産性の見直しは欠かせません。

この記事では、自社の業績に直接つながる労働生産性について説明し、その向上に向けた経営戦略と具体的な施策について解説します。

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目次

労働生産性とは

労働生産性という用語を耳にする機会は多いですが、その意味をきちんと理解していないと、自社の労働生産性を正しい方法で測定し、労働生産性を下げる要因を割り出し、業績アップへと導くことはできません。

そこで、まずは労働生産性の意味について、確認していくことにしましょう。

労働生産性とは、働く人間に着目した生産性を指し、企業で働く従業員が、どれだけ効果的に活用されているかを表す指標です。

従業員一人当たりに換算して、どれくらいの経済的成果を生み出せたか、もしくは従業員の労働時間を一時間当たりに換算して、どれくらいの経済的成果を生み出せたかを見れば、その企業の労働生産性を知ることができます。

もし、あなたの会社が、労働生産性を上げることに成功すれば、コストを削減して業績を向上できるでしょう。労働生産性の高い低いは、次の3つの軸で考えるとよいでしょう。

■ 時期:期間を区切って過去と現在の労働生産性を比較
■ 競合:競合する他社の労働生産性と自社を比較
■ 属性:社内の組織単位ごとに労働生産性を比較

また、労働生産性は労働資源の投入量とそれに伴って得られた経済的成果の産出量との比率で計算できます。企業による労働資源の投入量をインプット、従業員の労働によって得られた経済的成果の産出量をアウトプットとし、経済的成果の産出量(アウトプット)を労働資源の投入量(インプット)で割ると、労働生産性が計算できます。

以下に、アウトプットが異なる2種類の労働生産性について紹介します。

付加価値労働生産性

主に非製造業において、労働生産性の計算に利用される付加価値労働生産性では、自社の労働によってのみ加わった付加価値の金額を経済的成果の産出量とみなし、これをアウトプットとします。

付加価値の金額には、控除法と加算法という2通りの計算方法があります。

控除法では、売上高から自社の労働と関わらない外部購入価値を引いたものが付加価値の金額です。外部購入価値は売上原価とほぼ同じなので、付加価値の金額は、売上総利益(粗利)とほぼ同じと言ってよいでしょう。

加算法の場合には、人件費、支払利息等、動産・不動産賃借料、租税公課、営業純益の総和として付加価値の金額を計算できます。

(式1)”控除法”による付加価値の金額=売上高-外部購入価値
(式2)”加算法”による付加価値の金額=人件費+支払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課+営業純益 

そして、付加価値労働生産性は、付加価値の金額を労働量で割って算出します。

(式3)従業員”一人当たり”の付加価値労働生産性=付加価値の金額÷従業員数
(式4)従業員”一人一時間当たり”の付加価値労働生産性=付加価値の金額÷(従業員数×労働時間) 

労働量は従業員数または従業員数×労働時間として計算します。つまり、労働生産性を従業員一人当たりで出したいときには、(式3)のように付加価値の金額を従業員数で割り、従業員一人につき一時間当たりで出したいときには、(式4)のように付加価値の金額を従業員数と労働時間の積で割ればよいというわけです。

物的労働生産性

主に製造業において、労働生産性の計算に利用される物的労働生産性では、製造したものの生産量や販売金額を経済的成果の産出量とみなし、これをアウトプットとします。

したがって、物的労働生産性は、生産量を労働量で割るか、販売金額を労働量で割って計算します。労働量を従業員数または従業員数×労働時間とするのは、付加価値労働生産性を計算するときと同様です。

つまり、アウトプットを生産量に設定した場合の物的労働生産性は、従業員一人当たりで出したいときには(式5)で、従業員一人につき一時間当たりで出したいときには、(式6)で計算できます。

(式5)従業員”一人当たり”の物的労働生産性=生産量÷従業員数
(式6)従業員”一人一時間当たり”の物的労働生産性=生産量÷(従業員数×労働時間)

労働生産性の低い企業の特徴

労働生産性の測定方法がわかったところで、自分の会社の労働生産性を計算し、評価してみましょう。

労働生産性の値は、会社の規模や業種、景気によっても異なるので、絶対的な基準値は存在しません。自社でデータを比較して判定することが重要です。

まずは算出した労働生産性が適正かどうか、自社の過去の値と比較してみましょう。前年と今年、前期や今期など段階的に比較することで、向上しているかどうか確かめることができます。また、自社と似た事業を行っている競合他社の生産性と比較してみるのも一つの基準となります。

評価結果はいかがだったでしょうか。

もし労働生産性がどんどん低くなっていったり、他社と比較して低いと判断されるようであれば、以下に述べる4つの特徴に当てはまっている可能性が高いと言えるでしょう。

労働生産性の低い企業には以下のような特徴があります。

■ 従業員の労働時間が長い
■ 従業員の健康状態が悪い
■ 賃金が低い
■ 能力開発費が低い

自分の会社が当てはまる場合には、改善が必要です。

従業員の労働時間が長い

前述の労働生産性に関する計算式を見ればわかるように、分子にくる経済的成果に対して、分母にくる労働時間が長くなって数値が大きくなれば、当然労働生産性は小さくなります。

生み出す経済的成果が同じなら、従業員の労働時間が長い企業ほど、労働生産性が下がるのは当たり前です。タイムカードが適切に運用できていれば、従業員の労働時間は把握できるので、労働時間の長さは定量的に判断可能な要素です。 

従業員の健康状態が悪い

従業員の健康状態も企業の労働生産性に大きな影響を与えます。従業員の労働時間が長く、残業が増えすぎると、体調を崩して休職するはめになったり、過労死の危険も考えられます。

それが明るみに出てブラック企業の烙印を押されれば、企業イメージが悪くなってしまいます。そうなれば、良い人材が集まらず、製品やサービスの売れ行きにも影響します。

また、従業員の健康状態が悪くなると、病気で仕事を休まざるを得ない従業員が出てきて、人手不足に陥ります。そうなると、仕事の穴埋めをする他の従業員の負担が増えて、さらに健康状態が悪化するという悪循環が生じる恐れもあります。

体を壊したくない従業員が辞表を提出しはじめると、人手不足に拍車がかかります。深刻な人手不足で残された従業員の疲労がたまれば、仕事上のミスが増えたり、やる気が出なくなったり、良いアイデアが浮かばなくなったりして、さらに労働生産性は下がるでしょう。

従業員の健康状態については、健康診断や従業員へのアンケートを実施することで、定量的にも定性的にも判断できます。

賃金が低い

労働生産性が低い企業は、企業の業績も上がりにくいため賃金が低くなる傾向があります。

生産性が低ければ、労働時間が必要最低限のルーティンワークで終わることも十分に考えられ、付加価値を提供できず賃金にも反映されにくいでしょう。

能力開発費が低い

能力開発費と労働生産性には、正の相関関係があることが知られており、能力開発費が低い企業ほど、労働生産性も下がる傾向がみられるので、能力開発費は定量的に判断できる要素と言えます。

労働生産性を上げる4つのパターン

次に、労働生産性の計算式から、労働生産性を上げる4つのパターンについて考察します。

労働生産性=成果(アウトプット)÷投入資源(インプット)となることを思い出してください。

投入資源を減らす

労働生産性は、成果(アウトプット)を投入資源(インプット)で割ったものなので、分母の投入資源を減らせば、労働生産性が上がります。

要するに、労働の成果である売上を維持しつつ、製造コストを下げたり、無駄な業務を省いたりして投資額を削減できれば、労働生産性は上がります。

成長はできませんが、売上も従業員の雇用も守れるので、経営難で投資用の資金が不足しているときに選択するとよいでしょう。

成果を増やす

投入資源を減らさなくても分子にくる成果を増やせば、労働生産性は上がります。

つまり、製造コストやサービス開発費などの投資額は、減らさずに維持しつつ、教育訓練などで従業員の能力を向上させて、売上が拡大するように持っていけばよいということになります。

無理なく堅実な成長を目指す場合に選択するとよいでしょう。

規模を縮小する

経営が非常に厳しい場合には、赤字を出している事業を見直し、リストラを行って、事業の規模を大幅に縮小するという手があります。

投資資源も売上も共に減りますが、低下した売上(分子)に対して、投資資源の金額(分母)を十分に削減して小さくできれば、労働生産性自体は上がります。

但し、このパターンは最終手段としてとっておくべき選択肢なので、安易に選択してはいけません。

規模を拡大する

経営が好調なら、事業規模を拡大して、商品開発費や従業員の能力開発費への投資を積極的に行い、売上の大幅アップを狙いましょう。

増額した投資額(分母)よりも、大幅に伸びた売上(分子)の比率が大きければ、労働生産性は向上します。

労働生産性を上げる具体的な取り組み

それでは、実際に労働生産性を上げるための具体的な取り組みとしては、どのようなものがあるのでしょうか。

「業務」「環境」「人」の3つの視点から考えてみましょう。

業務の仕組みを変える

まずは、業務の仕組みを変えることから取り組みましょう。

定型業務を自動化したり、業務工程の単純化や削減など、業務プロセスやオペレーションを改善することで、業務を効率化することができ、既存商品サービスの価値向上へとつながります。

業務の仕組み化をうまく行うことで無駄なコストが削減できるだけでなく、例えばルーティン業務を行っていた従業員に、より付加価値をうむ仕事を任せることで、売上向上による労働生産性の向上が可能になります。

仕事の進め方を見直す

仕事の進め方(プロセス)の見直しは生産性向上の大前提となります。
設備投資やIT導入などの生産性向上に向けた取組みは、業務プロセスの見直しと併せて実施することで一層の効果が期待されます。

参照:中小企業庁 2018年版中小企業白書 業務見直しの実施有無別に見た、他の生産性向上策により労働生産性が向上した企業の割合

仕事の進め方で悩んだり抱え込んだりすると、ミスやトラブルの原因になったり、その対処に費やす時間が増える可能性が高くなります。仕事の進め方が悪いと感じる場合、業務効率を改善するには「段取り」を整える必要があります。

この段取りを個人個人で対策するのではなく、チーム全体で業務内容、業務工程の負担を軽減させるなどの改善策を講じると、業務の効率化につながります。

普段の仕事のなかで従業員がストレスを感じている部分を特定し、工程を簡略化することも検討できます。まずは業務分担が適切かを確認し、一部の従業員に負担が偏らないよう従業員全員が協力しながら効率よく業務を行う必要があります。

従業員が感じているストレスをチェックするには「ストレスチェックの実施」が有効です。実施することで従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐだけでなく、職場に内在するストレス要因を見つけることにつながり対策を打つことができ、職場環境の改善や労働生産性の向上が期待できます。

関連記事:ストレスチェック制度の目的や実施方法について

▼実施施策例

  • チームミーティングを定期的に開催する
  • 部署内のスケジュールや必要資料の共有の仕組みづくり
  • 会議数や会議時間の見直し
  • 作業の段取りの見直しやマニュアル化
  • リモートワークの活用推進
  • ストレスチェックの実施

環境を変える

次に、環境を変えることに取り組みましょう。従業員の労働環境が劣悪であれば、生産性の低下は免れません。環境といっても、職場環境だけでなく、評価制度やプライベートの生活まで含まれます。

職場環境を整える

職場環境を整えることは大変重要です。なぜならいつケガをしてもおかしくない危険な職場や空調の整わない居心地の悪い環境といった、働く環境が劣悪だと従業員のモチベーションは上がらず生産性も上がりません。

まず、オフィス内の空調や照明、設備のレイアウトや導線を見直して、従業員が気持ちよく働ける、より快適な空間を作りましょう。適宜、リモートワーク制度を導入すれば通勤時間がなくなり、時間をより有効活用できます。

また、部署内だけでなく、各部署間のコミュニケーション活性化ができるように、Zoomなどのツールを使って、リモートミーティングを開くのも良いでしょう。

人事評価制度を見直す

頑張っても報われないと従業員のモチベーションは下がってしまうので、人事評価制度を見直すことも必要です。

例えば、等級制度の見直し、金銭報酬(インセンティブ)の導入、成果・業績で評価する人事・処遇制度の導入などがあげられます。

ワークライフバランスを実現させる

ワークライフバランスとは、仕事と生活を調和させることを指します。実現するために、子育てや介護など、従業員の置かれた立場によって柔軟に働き方が選択できる制度や風土づくりなどが企業に求められています。

実現させるための取り組みとしては、例えば、長時間労働の抑制、有給休暇取得の推奨、特別休暇制度の導入、福利厚生の充実、健康増進の取り組みなどがあげられます。

いくら企業側がワークライフバランスを推進しても、従業員の理解が得られなければ、浸透は難しいでしょう。

そのため、「長時間働いている人が偉い」「有給の取得に罪悪感を感じる」といった古い考えを改め、ネガティブな感情を取り除くことが大切です。

なによりも、従業員自身が自分の裁量で働き方や環境をマネジメントできる体制を作り、労働生産性が一番上がる選択肢を準備することが重要になります。

関連記事:ワークライフバランスを実現させるメリットは?取り組みは

従業員を変える

経営資源として重要な従業員を変えることも大事です。働いている一人ひとりが最大限価値を発揮できる状態であれば、労働生産性は自然と高まります。

適切なポジションにいるか、充分なスキルを身につけて発揮できているか、心身共に健康な状態であるか確認しましょう。

人材配置を見直す

必要な事業に充分なリソースを投入できるように、人材配置を見直しましょう。複数の事業を展開している場合には、最も力を入れたい事業を選んでそこに人材を集中させます。

例えば、コア事業へ人材を集中投下して他の事業の人員を削減したり、若年人材を確保したら大事に育成して定着させることに力を入れたり、女性や高齢者など、多様な人材を活用するといった取り組みが労働生産性の向上につながります。

マネジメントを見直す

マネジメントを見直すことも有効です。管理職が部下をしっかりマネジメントして適切な目標設定やフィードバックを行い、残業を抑制するようにしましょう。

従業員全体が、モチベーションやエンゲージメントの高い状態で働くことができる体制づくりが、生産性の向上へつながります。

それを実現するためには、例えば、1on1、つまり、上司と部下の1対1の定期面談を実施したり、上司が部下に残業を事前申請させて労働時間を管理できたりするとよいでしょう。

また、上司が部下に仕事のやり方を教え、実務を通して訓練するOJT(On-the-Job Training)を実施することも効果的です。

個人のスキルアップに投資する

能力開発への投資と労働生産性は相関するので、個人のスキルアップに投資することも有効です。

例えば平均的には 1人当たり人的資本投資額の 1%の増加は、0.6%程度労働生産性を増加させる可能性が示唆されるとの結果がでています。このことから、積極的に人的資本投資をすることは、労働生産性の水準にかかわらず生産性に対しプラスに働く可能性が高いことが示唆されています。

また、厚生労働省が発表した「令和元年版労働経済の分析」によると、ワーク・エンゲイジメント・スコアが高いほど、個人・企業ともに労働生産性が向上していると感じることも多いようです。また、同資料にはワーク・エンゲイジメント・スコアと「企業としての人材育成方針・計画の策定」との間には、統計的有意な正の相関があることが確認されています。

参照:内閣府:「年次経済財政報告」平成30年度
参照:厚生労働省「令和元年版労働経済の分析」

企業として「人材」という経営資源を重視していながら、日本の人的資本投資は他国と比べて少ないという現状もあります。人材への投資に取り組むことで、労働生産性はさらに伸ばせる可能性が高いでしょう。

参照:中小企業庁 2020年版中小企業白書 人材教育・能力開発投資の有無別、労働生産性の変化

教育や研修への投資をするならば、自発的なスキル獲得を支援する制度を導入し、自発的なキャリア形成を支援する環境を整備するとよいでしょう。また、新人社員・中堅社員・管理職にむけて継続的な人材育成を進めていきましょう。

関連記事:人材育成を進めるには|ステップや階級ごとの育成例を紹介

全ての土台となる心身の健康を増進する

健康なカラダが無ければ、持っているスキルは発揮できません。そのため、全ての土台となる心身の健康を増進することが効果的です。

健康診断やストレスチェックの受診勧奨、健康リテラシー向上のための情報発信、健康セミナーの開催、メンタルヘルス対策といった取り組みで労働生産性を向上させましょう。

健康増進のポイントとしては、健康リテラシーの向上に取り組むことが重要になります。健康リテラシーとは、「自分に必要な健康情報を入手し活用する能力のこと」です。健康リテラシーが高いと正しい情報を理解でき、自身の健康状態に応じて活用することができます。

高い健康リテラシーを身に着け、適切な行動ができる従業員が増えることで、社内全体の健康レベルは底上げされます。従業員の健康リテラシーを高めるためには、まさに草の根運動のような取り組みが必要になります。

健康リテラシー向上に向けたアクションとして以下が挙げられます。

  • 社内で健康リテラシーに関する学習機会を設ける
  • 経営層によるリーダーシップのもと、従業員とその家族まで広める
  • 幅広く長期的に健康知識に触れる機会をつくる
  • 定量化して評価していく
  • 社内に好影響もたらす「健康アンバサダー」のような人物を作る

関連記事:健康リテラシー向上に向けたポイント

労働生産性を上げる2つの経営戦略

労働生産性を上げるには、会社の方針を明確にしてそれを浸透させる必要があります。以下に説明する働き方改革と健康経営という2つの戦略は、ともに労働生産性の向上につながる大変重要な経営戦略です。

働き方改革と健康経営には、「法的な義務」か「各企業任意の取り組み」かという違いがありますが、具体的な取り組み内容が多くの部分で共通していることも確かです。

それゆえ、この2つの取り組みはセットで実施することで、高い相乗効果が期待できます。

働き方改革

働き方改革には、長時間労働による働き過ぎを防止して、従業員が健康な状態で働けるようにするという目的があります。

また、子育てや介護など、様々な事情で従来の働き方では働くのが困難だった人々に、リモートワークや短時間勤務など、多様な働き方を認めて、働く意思のある人に働いてもらい、労働人口を増やすという目的もあります。

働き方改革という戦略をとると、労働者の健康を維持しやすくなり、病気による長期休職や離職のリスクを避けられるため、企業は新たな人材確保のリスクを回避できます。

従業員はワークライフバランスが実現しやすくなり、効率を落とさず元気に働けるので労働生産性の向上が期待できます。

働き方改革においてまず大きなテーマとなっているのが、長時間労働(過重労働)の是正です。

長時間労働対処への4つのポイント

長時間労働は、以下の4つのポイントに沿って対処していくのがおすすめです。自社の現状と照らし合わせながら、不足している部分への対処を行っていきましょう。

①現状の把握

労働時間の実態を把握できていないなら、まずは労働時間の見える化を行いましょう。勤怠管理ツールを導入して、客観的に労働時間を可視化できるようにするのがおすすめです。

②長時間労働を良しとする企業文化を打破するための意識改革

続いて行うべきなのが、企業における意識改革です。意識改革の方法には、主に以下3点が挙げられます。

  • 経営層からの社内外への発信:まず初めに行う
  • 評価制度・人事制度の変更:例)部下の長時間労働抑制の取り組みを管理職の人事考課に盛り込む
  • 管理職への研修・教育:部下への適切な指示のために特に重要
③働き方への取り組み

仕事の進め方を改善する際は、職場風土と業務効率化の2点を意識することが大切です。
職場風土の醸成とは、「従業員が帰りやすい環境の構築」を指します。残業に関して事前承認制やノー残業デーなどの規定を設けたり、朝型勤務を推奨したりするのがおすすめです。業務効率化を進めるには、属人化した業務を作らないよう業務を標準化したり、情報共有の仕組みを再検討するのがおすすめです。

④生活習慣改善への取り組み

生活習慣と労働は切り離せない関係にあり、例えば労働時間が長くなると、生活にかける時間が短くなります。生活習慣の乱れは生産性低下を招く場合もあります。
従業員全体に対してアプローチをかける「ポピュレーションアプローチ」と、特にリスクが高い人に対してアプローチをかける「ハイリスクアプローチ」を組み合わせて実施してくとよいでしょう。

長時間労働是正に関する詳しい内容はこちら

健康経営

健康経営は、アメリカで生まれたヘルシーカンパニー思想に基づき、「健康な従業員こそが収益性の高い会社を作る」という考えのもと、従業員の健康管理に積極的な投資を行うという経営戦略です。

健康経営の目的は、従業員の健康づくりを通して、企業の業績や価値を向上させることにあります。というのも、健康経営の実践によって、企業には下記のメリットがもたらされることが期待できるからです。

  • 従業員の健康増進
  • 従業員の活力向上
  • 労働生産性の向上
  • 企業イメージの向上

健康経営は労働生産性を上げるだけでなく、企業のイメージアップにもつながります。

健康経営に取り組む4ステップ

健康経営と聞くと、取り組みが難しいのでは?と思う方もいるかもしれません。ここでは、4つのステップに分け、健康経営の取り組み方を解説していきます。

①準備

健康経営に取り組むために、まずは自社の「健康課題」の把握をする必要があります。また、課題を解決することで、会社・従業員がどのような姿になることがゴールなのか「目標設定」。本格的に健康経営を行うことを告知するための「健康宣言」。実際に実行するための「社内体制の構築」が準備として必要となります。

②実行

ステップ1. で抽出した健康課題や、健康経営の認定要件から、取り組む項目を選定していきます。

  • 健康課題の把握と必要な対策の検討:例)定期健康診断受診率100%を目指す
  • 実践に向けた土台作りとワークエンゲージメント:例)職場の活性化
  • 従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策:例)メンタルヘルス不調者への対応
③振り返り評価

開始時に定めた目標に対して、現状を評価し、次の施策に向けて改善を継続的に実施していく事が重要になります。
健康経営の最終的な目的である企業業績アップにどうつなげられるのか、健康投資の見える化を進めるため、2021年3月、経産省により「健康経営管理会計ガイドライン」が作成されました。PDCAサイクルを確立させるためにも、参考になるガイドラインとなります。

④改善

振り返り評価のあとは改善のステップになります。健康施策の単純な結果だけを見るのではなく、従業員がどのような反応を示しているのか考察し、短期的・長期的な改善施策を練りましょう。

健康経営に関する詳しい内容はこちら

まとめ

労働生産性は、基本的に経済的成果を投入資源で割ることで計算できます。労働生産性の低い企業には、従業員の労働時間が長く、健康状態が悪く、賃金や能力開発費が低いという特徴があります。働き方改革と健康経営は、労働生産性を向上させるための鍵を握る経営戦略です。

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