ウェルビーイングとは?取り組み事例と健康経営との関係

現在、世界的に企業の在り方が変わってきており、日本でもESGや健康経営など、利益の追求以外の面が重要視されてきています。こうした中で関心が高まっているのが、幸福等を意味する「ウェルビーイング(well-being)」の概念です。

本記事では、なぜ企業がウェルビーイングに取り組むべきなのか、その社会的背景やメリット、取り組み事例を紹介します。

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目次

ウェルビーイングとは

現在、世界的に企業の在り方が変わってきており、日本でもESGや健康経営など、利益の追求以外の面が重要視されてきています。

こうした中で関心が高まっているのが、幸福等を意味する「ウェルビーイング(well-being)」の概念です。様々な場面で用いられることの多いウェルビーイングという言葉ですが、一体どのような概念なのでしょうか。

ウェルビーイングの意味・定義

「ウェルビーイング(well-being)」とは、直訳すると健康、幸福、福祉などを意味しており、ここから転じて「幸福」や「満足」等を指す言葉として使用されます。また、ウェルビーイングは「健康」を指す言葉としても理解されており、WHOの憲章前文においても以下のような記述があります。

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(Well-being)にあることをいいます。

上記の引用文は正確に言えば、「健康(Health)」の概念を定義したものですが、ウェルビーイングを理解する上でも助けになります。私達が自分を良好な状態であると感じるためには、様々な観点で満たされている必要があります。

たとえ肉体的に健康であっても、一人ぼっちで孤独を感じている人は、自分が「満たされた状態」であるとは到底言えないでしょう。ウェルビーイングについて考えることは、「そもそも健康や幸福とはどのような状態なのか」と改めて問い直してみることでもあると言えます。

最近よく耳にするようになったSDGs(持続可能な開発目標)の中にもウェルビーイングが登場しています。SDGsは2015年9月の国連サミットで採択された「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標です。

その中の目標3には、「GOOD HEALTH AND WELL-BEING(すべての人に健康と福祉を)」といったようにウェルビーイングを推進することが掲げられています。

ウェルビーイングと類似する概念との違い

「幸福」のキーワードに着目すると一見「ハピネス(Happiness)」や「ウェルフェア(Welfare)」と同義語であるようにも思えます。ですがこれらには違いがあります。

ハピネス(Happiness)

感情的で一時的な幸せのことを指します。持続性のない幸せである点がウェルビーイングとの違いです。お金や地位などの地位財とよばれるものはハピネスの方に含まれると考えられています。地位財は手にした際には幸福感が上がりますが、他者と比較すると幸福感が下がるためです。

ウェルフェア(Welfare)

ウェルフェアは「福祉」と翻訳されることもありますが、主に「福利厚生」として認識されています。ウェルビーイングもウェルフェアも似たような行動を指す場合もあるでしょうが、ウェルフェアがどちらかというと「手段」なのに対して、ウェルビーイングは「目的」となります。ウェルビーイングを実現させるための手段として、ウェルフェアがあると考えると良いでしょう。

ウェルビーイング(Well-being)

肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態を指します。一時的な幸せではなく、長期的な幸せを指す点がハピネスとの違いです。

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ビジネスでウェルビーイングが注目される理由

日本では現在、「働き方改革」や「健康経営」など、従業員のウェルビーイング向上に資する取り組みを進める企業が増えています。しかし、なぜ営利団体である企業がこうした取り組みを推進するようになったのでしょうか。

以下では、その社会的背景や、ウェルビーイングを実践した際に企業が得られるメリットについて解説します。

価値観や働き方の多様化への対応

グローバル化やICTの普及等により、現代では様々な価値観が生まれ、それに伴って働き方へのニーズも多様化してきています。これに伴い、企業にも多様性を認め、一人ひとりに合った働き方ができる就労環境をつくる姿勢が求められるようになりました。

また、上記のような価値観の多様化に伴い、投資家のあいだでもESG(SDGs)に取り組む企業に優先的に融資(ESG投資)をする傾向が高まっています。

こうした社会的背景の影響を受けて、いまの企業には利益の向上だけでなく、従業員のウェルビーイングを尊重した経営をすることが求められているのです。

企業イメージが向上する

最近では、労務問題への社会的関心の高まりやSNSの普及を受けて、職場環境など企業内部の情報も消費者に伝わるようになってきています。それらの情報が企業イメージを大きく左右しており、「ブラック企業」「ホワイト企業」のような言葉も出てきました。

どんなに良い商品やサービスを提供していても、劣悪な環境で従業員を働かせている企業の商品は消費者から選ばれない時代になっています。

企業イメージ向上のためにも「働き方改革」や「健康経営」のような、従業員のワークライフバランスや心身の健康を向上させる取組みが企業には求められています。

関連記事:企業イメージの向上は組織力の向上から | 高める3つの方法

人材が確保できる

従業員のウェルビーイング向上に取り組むことは、結果として自社の人材確保にも繋がります。企業におけるウェルビーイングの主な取り組みとしては、「働き方改革」に代表される労働環境の改善が挙げられます。

例えばテレワークやフレックスタイム制を導入するなどしてワークライフバランスを向上させる取り組みを実施し、従業員が働きやすい労働環境をつくることで、様々なバックグラウンドを持った多様な人材の確保や、家庭事情などによる離職率の低下が期待できます。

労働生産性が向上する

米国イリノイ大学の名誉教授である心理学者エド・ディーナーらは、幸福度の高い労働者はそうでない人よりも労働生産性が30%以上高く、創造性に至ってはおよそ3倍以上も高いという調査結果を発表しています。

ストレス負荷の高い職場では人間関係も悪くなりがちで、色々な意味で働きにくくなることは、実感として分かる人も多いのではないでしょうか。職場全体のウェルビーイングの向上はこうした問題を抑制し、従業員が生産的に働ける環境を整備することにつながります。

ストレスチェックを実施しよう

従業員のウェルビーイングを向上させるためには、肉体面だけでなく精神面へのフォローも欠かせません

労働安全衛生法に基づき、常時50名以上の従業員がいる事業場に1年間に1回、従業員のストレス度合いを調べるストレスチェックの実施が義務付けられています。ストレスチェックでは、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」といった項目を調査します。

ストレスチェック調査票において「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が高い者は「高ストレス者」となります。「疲れがずっと抜けない」「休日でも仕事のことが気になって落ち着かない」など、メンタルヘルス不調を示すサインを多く持つ人が該当します。

ただし、それほど極端な自覚症状がなくても、担当業務の責任が重い、業務量が過度に多いなどストレス要因の多い仕事を抱えている人や、上司や同僚からのサポートが乏しい人も、今後メンタルヘルス不調に陥ることが懸念される対象として高ストレス者に分類される場合もあります。

こうしたストレスチェックの結果を活用し、ウェルビーイング向上に向けて従業員に対する対策を実施し、生産的に働ける環境を整備していきましょう。

ストレスチェック実施に関する詳しい内容はこちら

健康経営の推進につながる

ウェルビーイングの実践は、健康経営の推進にも寄与します。冒頭で述べたWHOの憲章にも示されているように、健康とは単に肉体面で悪いところがなければいいというものではありません。

従業員の心身や人間関係など、多角的な視点からウェルビーイングを追求することは、真の意味で従業員の健康を守ることに繋がります。

自己効力感と健康施策との関わり

「自分の人生を自分でコントロールできているという感覚」が低いと言われている日本は、幸福度ランキングにおいて54位と低い位置になっています。

「自分の人生を自分でコントロールできているという感覚」とは、仕事など、何かやるべきことやストレスに直面した際に「自分がうまくできそう、操作できそう、理解できそう」と思えるかどうか、すなわち「自己効力感」にも言い換えられるでしょう。

この自分の可能性を認知したり、ストレスに遭遇した際に「なんとかなる」と前向きに対処できる「自己効力感」と、BMIについては相関が示唆されています。

RIZAPが2019年に筑波大学水上研究室と実施した共同研究「企業向け健康増進プログラムによる心理的変化の検討」があります。そこで、プログラムの前後で参加者のBMIが最適化されたことに加えて、下記を支持する結果が得られました。

  • 自己効力感:自分の可能性を認知する
  • 主観的健康感:自らの健康状態を評価する
  • 把握可能感:現在の自分の状況を理解し冷静に捉える
  • 処理可能感:ストレスに遭遇した際に”なんとかなる”と前向きに対処できる

RIZAPが2019年に筑波大学水上研究室と実施した共同研究「企業向け健康増進プログラムによる心理的変化の検討」があります。そこで、プログラムの前後で参加者のBMIが最適化されたことに加えて、下記を支持する結果が得られました。この結果から、BMIの変化と自己効力感は相関関係があることが示唆されています。

つまり、BMIが最適化されて健康数値が改善されることと、幸福度などにつながりがある自己効力感にはということになります。

復職支援機関RodinaにてRIZAPを健康施策に取り入れた事例はこちら

この研究の詳細を記したプレスリリースはこちら

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ウェルビーイング経営実現のためのポイント

企業でのウェルビーイングを実現するためにはどのような方法が考えられるでしょうか。ウェルビーイング向上のためのポイントを紹介します。

健康経営の推進

従業員のウェルビーイングを高めるために、身体・精神的健康を増進する経営戦略として『健康経営』があります。

健康経営とは、『従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法』です。健康施策にかかる支出をコストと考えるのではなく、『投資』としてとらえることが重要になります。

あくまで企業が用いる経営手法ですので、従業員の健康を促進することは手段であり、目的は組織の活性化・生産性の向上であり、最終的には業績向上、企業価値の向上を目指します。

健康経営の推進として、企業が積極的に健康施策を行ったり、福利厚生を充実させると、従業員はそれらを活用して健康的な生活習慣の実現を目指すことができます。

健康経営に取り組むことで、以下のようなメリットがあります。

  • 労働生産性の向上
  • 従業員のエンゲージメント向上
  • 職場活性化
  • 離職率の低下
  • 社会評価・企業イメージの向上

取り組み方は以下の記事をご確認ください。
関連記事:【徹底解説】健康経営とは?目的や効果~具体的な取り組み方

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労働環境の見直し

労働環境の見直しに向けて、長時間残業の是正を筆頭に柔軟な働き方の促進に取り組みましょう。長時間労働の是正は労働環境改善策として大きくウェルビーイング向上に直結するでしょう。

長時間労働対処への4つのポイント

長時間労働は、以下の4つのポイントに沿って対処していくのがおすすめです。自社の現状と照らし合わせながら、不足している部分への対処を行っていきましょう。

1. 現状の把握

労働時間の実態を把握できていないなら、まずは労働時間の見える化を行いましょう。勤怠管理ツールを導入して、客観的に労働時間を可視化できるようにするのがおすすめです。

2 長時間労働を良しとする企業文化を打破するための意識改革

続いて行うべきなのが、企業における意識改革です。意識改革の方法には、主に以下3点が挙げられます。

  • 経営層からの社内外への発信:まず初めに行う
  • 評価制度・人事制度の変更:例)部下の長時間労働抑制の取り組みを管理職の人事考課に盛り込む
  • 管理職への研修・教育:部下への適切な指示のために特に重要
3. 働き方への取り組み

仕事の進め方を改善する際は、職場風土と業務効率化の2点を意識することが大切です。
職場風土の醸成とは、「従業員が帰りやすい環境の構築」を指します。残業に関して事前承認制やノー残業デーなどの規定を設けたり、朝型勤務を推奨したりするのがおすすめです。業務効率化を進めるには、属人化した業務を作らないよう業務を標準化したり、情報共有の仕組みを再検討するのがおすすめです。

4. 生活習慣改善への取り組み

生活習慣と労働は切り離せない関係にあり、例えば労働時間が長くなると、生活にかける時間が短くなります。生活習慣の乱れは生産性低下を招く場合もあります。
従業員全体に対してアプローチをかける「ポピュレーションアプローチ」と、特にリスクが高い人に対してアプローチをかける「ハイリスクアプローチ」を組み合わせて実施してくとよいでしょう。

関連記事:長時間労働の原因や引き起こす問題とは?

職場環境の改善

ウェルビーイングを高める、働きやすい職場づくりの具体的なアイデアをいくつか紹介します。下記のアイデアに共通していることは、オープンで快適なオフィスづくりです。従業員が一人で抱え込まず情報を共有し、相談できる環境は職場の活発なコミュニケーションを促します。

■人間関係を活性化する

人間関係が悪い職場環境では、従業員がメンタルヘルスの不調で悩んだり、心身症(ストレス性内科疾患)にかかったりする恐れがあります。下記の内容を意識していきましょう。

  • お互いを知る機会をつくる
  • 心理的安全性を高める
  • 業務に関わらない環境を設ける
  • ワークエンゲージメントを高める
■業務環境を整備する

職場環境を改善し仕事の生産性や効率性を向上させていくうえで、働きやすい作業場・オフィス環境であることは、業務がスムーズに遂行されることにつながります。かつては、作業場やオフィスは単に「人が集まる場所」としての認識しかありませんでしたが、IT環境の推進、生活スタイルの変貌とともにその空間自体が働く人のモチベーションに大きく影響することがわかってきました。

また人と人との交流が活性化されることによって生産性向上のアイデアや想いがブラッシュアップされ、職場がさらに活性化されていくことにつながります。従業員同士の接点が少なかったり、交流できる場がなかったりするようであれば、まずその環境を整えていきましょう。

  • コミュニケーションツールの活用
  • フリーアドレス制
  • リフレッシュスペースの確保
  • 職場で簡単に打ち合わせができるスペースの確保
  • 快適な作業環境の確認(音・温度・空調・明るさ等)
  • 快適な共有スペースの確保
  • 動線の確保・レイアウトの見直し
■業務内容を見直す

業務内容も、職場環境を形成する要素の一つです。下記のような内容を検討していきましょう。

  • 仕事の進め方を見直す
  • 心地よい人間関係づくりと相互支援の環境づくり
  • 安心できる職場の仕組みづくり

関連記事:職場環境の改善アイデア

社内コミュニケーションの活性化

社内コミュニケーションが活性化すると、仕事の進め方や人間関係の悩みが解消され、ウェルビーイングにつながります。

職場の社内コミュニケーションを活性化させるにはいくつかのポイントがあります。
まずは、社内報や1on1ミーティングを通して、お互いを知る機会をつくりましょう。どんな社員がいて、どんな仕事をしているのかを知ることで、コミュニケーションを持つ第一歩とすることができます。

また、コミュニケーションの質を高めるためには心理的安全性を確保することが必要になります。心理的安全性がなければ、いくらコミュニケーションの機会を設けても従業員は本音で交流することはできません。十分確保できていない場合は、個別のヒアリングや配置換えなどを検討する必要があるかもしれません。

コミュニケーションを活性化させるためには、交流を促進する環境作りや、業務に関わらない環境を企業が従業員に対して提供することが重要になります。

業務時間内であれば、フリーアドレス制の導入リフレッシュスペースを確保したり、業務時間外であれば、社内サークルイベントなどを実施することも有効な手段になります。

ワーク・エンゲイジメントの高い従業員は、業務やほかの従業員との関わりも積極的で、役割以外の仕事への取り組みや、部下への指導など、リーダーシップを発揮した行動を取れます。そのため、社内コミュニケーションを活性化させるために積極的に協力を依頼しましょう。

関連記事:社内コミュニケーションを活性化させるポイント

セルフケアの促進

セルフケアが十分にできることは組織全体でストレスの対応力が強化され、ウェルビーイングにつながります。従業員が自分自身が心身の健康状態にアンテナを立て、改善できるようにサポートしましょう。

セルフケアとは従業員一人ひとりが自らのストレスを予防し、気付いた時に適切に対処することです。簡単そうですが実は正しい知識がないと適切に対処できません。

例えば、体や気持ちに異変が生じていても「今の自分は、うつ病かもしれない」と、自発的に気付いて対応できる従業員ばかりではありません。また異変の度合いや、生じる症状や頻度は、人によってそれぞれであるため、判断が難しい場合があります。

ストレスの認知や、その反応に自ら気付くためには、従業員一人ひとりがストレス要因に対する反応や、心の健康について理解するとともに、気付こうとする姿勢が必要です。自ら気付き、対応する「セルフケア」を適切にできるようになるには、教育研修の機会を設けて、意識を高めていくことが重要です。

従業員自身が不調を未然に防いだり、重度に至る前に対処できるようになっていくでしょう。

関連記事:職場のメンタルヘルス対策とは?

ウェルビーイングを把握する指標

「幸福」というと主観的で曖昧な言葉のように思えますが、ウェルビーイングの度合いを客観的に把握するための指標がいくつか存在します。以下では、その代表的な指標を紹介します。

ギャラップ社の5つの指標

まず紹介するのは、世論調査などを行う米国企業ギャラップ社の指標です。ギャラップ社の指標は、以下の5つの要素からウェルビーイングの評価をします。

  • Career Wellbeing :公私において満足できる人生(キャリア)を築けているか

公私において満足できる人生(キャリア)を築けているかどうかの指標です。キャリアとは仕事のことだけでなく、育児やボランティア活動、勉強などを含みます。ワークライフバランスを考え自分の一日の過ごし方に満足しているかという意味合いもあります。

  • Social Wellbeing :周囲の人と良好な人間関係を築けているか

周囲の人と良好な人間関係を築けているかなど人間関係に関する幸福の指標です。信頼関係を構築し合い、人と人とのやり取りができているかをチェックする項目で、ビジネスシーンでは上司や部下、同僚などとの関係性を指します。

  • Financial Wellbeing :安心して生活できるように経済的に満たされているか

安心して生活できるように経済的に満たされているかなど、経済的な幸福や金銭的な安定報酬についての指標です。報酬を得る手段や、報酬への納得感などが該当します。

  • Physical Wellbeing :自分のやりたいことができるように肉体的に満たされているか

自分のやりたいことができるように肉体的に満たされているかなど、心身ともに健康であるかどうかが基準になります。ビジネスシーンでは、ストレスを抱えない環境やモチベーションの状況、身体的な健康が満たせているかなどが重要です。

  • Community Wellbeing:地域社会と深いつながりを感じられているか

地域社会と深いつながりを感じられているかなど、自分の周りにあるコミュニティとの幸福の指標です。家族や居住地の地域社会、友達、学校などが該当し、ビジネスシーンでは会社、部署などが該当します。

上記の5項目は、国や性別、宗教、職業などにかかわらず、ウェルビーイングを形成する上ですべての人にとって大切な要素であると言われています。

PERMA理論

ウェルビーイングの実現と関連性が深い分野としてポジティブ心理学というものがあります。ポジティブ心理学において、よい生き方とはウェルビーイングの定義である身体的・精神的・社会的にも満たされている生き方を指します。

ポジティブ心理学を提唱した米国のマーティン・セリグマン博士は、ウェルビーイングを科学として理論的に測るための5つの要素「PERMA」を提唱しました。

この指標は、「P・E・R・M・A」の頭文字から成る5つの項目によって構成されています。

  • Positive Emotion:嬉しい、楽しい、感動などのポジティブな感情が得られているか
  • Engagement:時間を忘れて積極的に没頭できることを持っているか
  • Relationship:互いに助け合えるような人間関係を手にしているか
  • Meaning and Purpose:自分の人生に意味や目的を見出せているか
  • Achievement/ Accomplish:成功体験などによって達成感を得られているか

上記の要素から構成されるPERMA理論の指標は、刹那的な満足感とは異なる、持続的な幸福度を表すものだと言われています。

日本企業でのウェルビーイング取り組み事例

最後にウェルビーイングの実践を始める際の参考例として、実際の企業の取り組み事例についてご紹介します。実際の例を参考にすれば、取り組みの成功イメージが湧き、効果的な策を講じることができます。

PwC

PwCは成功する人々はウェルビーイング(心身の幸福)を軽視しない。成功する組織はそこで働く人々がウェルビーイングを追求できるような環境を提供するという理念を掲げ、その実践に当たっています。

PwCでは従業員の健康維持に注力しており、定期健康診断以外でも歯科検診の補助や予防接種の補助を行なったり、ウェルビ―イングやメンタルヘルスに関するセミナーを積極的に実施したりしています。

(引用元:https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/well-being.html

また、同社は多様性社会の実現も推進しており、職場におけるLGBT等への取り組みを評価する指標「PRIDE指標 2021」で4年連続の最高評価を受けるなど、その取り組みは高く評価されています。

(参照元:https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/lgbt-plus-inclusion211112.html

丸井グループ

丸井グループは、すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブで豊かな社会を共に創るという企業ビジョンを掲げています。インクルーシブとは「すべてを含む」という意味の英語で、これはSDGsにおいて掲げられている「誰ひとり取り残さない」という理念と共通したワードと言えます。

丸井グループではこのビジョンを実現するために、従業員が「手挙げ式」で参加する全社横断型のプロジェクトを立ち上げ、職場の健康や働きやすさを向上させるための活動を行っています。

同社が定期的に実施しているストレスチェックからは、こうした取り組みに参加している人ほどストレス度が低く、従業員エンゲージメントが高いという結果が出ているそうです。同社では2008年から働き方改革も並行して推進しており、それ以降12年間の残業代削減効果は総計で26億円にもなると言われています。

(引用元:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66925?page=3

楽天

楽天は「コレクティブ・ウェルビーイング」というガイドラインを作成してその推進に当たっています。同社の取り組みは「仲間」「時間」「空間」の「三間」を主軸として展開されており、雑談も含むコミュニケーションの活性化、計画的な休暇の推奨、オンラインも含めた働く空間の整備など、働きやすさを向上させる取り組みを行なっています。

このような取り組みは、経営陣も含めた社員全体がメリハリをもって仕事に当たれる余白(余裕)を与えるものであり、結果として仕事の効率性や創造性を高める効果が得られます。同社の提供するガイドラインには、自社のウェルビ―イングの状況を確認するチェックリストも載っているので、この機会にぜひ試してみてはいかがでしょうか。

(参照元:https://corp.rakuten.co.jp/collective-well-being/

まとめ

本記事では、ウェルビーイングの基本的な概要を解説しました。ウェルビーイングを向上するには、心身の健康の他、周囲の人間関係や職場の働きやすさ等、多角的な観点からのアプローチが必要になります。

働き方改革健康経営に取り組むにあたっては、同時にウェルビーイングの観点を取り入れることをおすすめします。

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