職場活性化の具体的なアイデア|事例、取り組みの進め方とは

従業員がイキイキと働き社内コミュニケーションが活発な職場であることは、従業員のモチベーションやエンゲージメントを高め、より生産性の高い業務を行う上でも欠かせないものです。多くの従業員が生産性の高い業務を行うことは、組織全体の活性化にもつながり業績への貢献も大きくなります。

今回の記事では職場が活性化することでのメリットを再確認し、活性化のためのステップと具体例をヒントにどのように取り組んでいくかをご紹介します。

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目次

職場環境とは

職場環境とは、単に作業をする場所そのものに限られません。作業方法や疲労回復するための設備なども、職場環境に含まれています。

職場環境を構成する要素として、大きく3つに分類されます。

■ 人間関係:コミュニケーション、挨拶、感謝、理解し合うなど
■ 業務環境:空調照明~設備レイアウトなど
■ 業務内容:裁量権、負荷の量、労働時間など

従業員が1日の多くの時間を過ごす職場環境が悪いと従業員に大きな負担がかかり、企業の生産性低下にもつながりかねません。そのため、事業主には従業員が働きやすい快適な職場環境を形成する配慮義務が定められているのです。

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職場活性化のメリット

職場が活性化されていない状態とは、「従業員が何を考えているかわからない」「言ったことが伝わらない」「意見がでてこない」「無駄な会議が多い」などの状況を指します。 

職場が活性化されていない場合、従業員自身も徒労感や居心地の悪さを感じます。その状況を改善できる兆しがなく、意見が出しにくい雰囲気や言っても無駄だという諦めが広がり始めている場合は「職場が活性化されていない」といえるでしょう。

一方で、職場が活性化されていると従業員はのびのびと仕事をし活躍しています。人の話をよく聴き自分の考えを積極的に発信し、主体的に行動し、人を巻き込み、相互に助け合っています。

では具体的に、職場環境の活性化のメリットとはどういったものがあるでしょうか?

  • コミュニケーションが活発になる
  • 定着率があがる
  • 心身の健康を保つことにつながる
  • 仕事の生産性があがる
  • 従業員に主体性が生まれる
  • エンゲージメントが高まる

以下に詳しく説明していきます。

コミュニケーションが活発になる

良好なコミュニケーションが取れている職場では、互いの意見も発信しやすく、さまざまな情報共有を円滑に行えるようになります。

リフレッシュスペースやミーティングスペースを確保することで従業員同士でのコミュニケーションをとりやすい環境を整えたり、チームミーティングで作業の段取りを見直したりして職場を活性化させることは、コミュニケーションが活発になることに繋がります。

従業員同士のやり取りがスムーズであれば、ミスが生じたときにもすぐに報告が行われ、大事になる前に対応することもできるでしょう。

定着率があがる

従業員がイキイキと働けるような職場に活性化していくことで、愛社精神や貢献意識といった従業員エンゲージメントの向上につながります。従業員エンゲージメントの高まりは離職率や定着率の改善に寄与し、経営基盤の総体的な強化が期待できます。

離職率を下げるために「二要因理論」という考えがあります。「衛生要因」という不満足に関わるものと、「動機付け要因」という満足度に関わるもので構成されており、衛生要因とは健全に働くための土台となります。その中には「労働条件」「オフィス・作業場環境」「チームワーク」「健康状態」などが含まれます。

厚生労働省による令和2年雇用動向調査結果によると、自主退職理由(会社都合ではない)の78%は「人間関係」などの衛生要因が占めています。つまり、離職には衛生要因が大きく影響していることがわかります。職場環境を活性化することは、衛生要因の改善につながります。

参照:厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概要 転職入植者が前職をやめた理由」
関連記事:定着率とは?低い原因と効果的な取り組みをご紹介

日本は少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少が加速しています。これに伴い深刻化しているのが人材不足です。従業員にとって魅力的な職場環境を整えることで、定着率の向上や、人材採用において好影響が得られます。

心身の健康を保つことにつながる

業務が円滑に進まないことなどから生じる疲労やストレスが蓄積すると、心身の不調を引き起こす場合があります。職場が活性化し業務が促進することは、従業員の心身のストレスを減らすことにつながり、従業員の健康維持に役立ちます。

RIZAPは、企業の健康管理担当者を対象としたインターネット調査(期間:2021年6月2日~6月14日、N=140)を実施し、「テレワーク中の従業員の不調と対策」と題して各社の動向をまとめました。

これによると、テレワークの普及の前後で、「健康面に変化あり」の回答が約8割にのぼりました。

コロナ禍になってからのコミュニケーション不足は従業員も実感しており、各企業でリモートワークや時差出勤、社内交流イベントの自粛といったコロナ対策によって、対面によるコミュニケーションの機会が減っています。

その結果、メンタル不調者が増えており、職場が活性化されていない影響が従業員の健康面に表れています。

関連記事:テレワーク中の従業員の健康問題とは?その対策は?

仕事の生産性があがる

職場が活性化しコミュニケーションが活性化されると一人ひとりのモチベーションが向上します。その結果、従業員のパフォーマンスが最大化され、より少ないリソースで多くの成果を生み出せます。

仕事の生産性を上げるために職場環境を整えることは大変重要です。いつケガをしてもおかしくない危険な職場や空調の整わない居心地の悪い環境といった、働く環境が劣悪だと従業員のモチベーションは上がらず生産性も上がりません。

生産性の指標は「生産性=産出量÷投入量」という数式で表せます。最小のリソースでいかに最大の成果を生み出すかが重要となります。

従業員一人ひとりが創出する付加価値額や生産量が高まれば、結果として組織全体における生産性の向上につながります。

関連記事:労働生産性が向上する具体的な施策

従業員に主体性が生まれる

職場が活性化していると、従業員に主体性が生まれます。なぜなら、経営者と従業員全員が、経営理念やミッション・ビジョン・バリューを明確に共有できているからです。

職場が活性化されていると、従業員は企業の目指す方向性、提供する価値は何なのか理解し、それらを実現するために何をすべきか理解している状態にあります。そのため、主体的にものごとをすすめていくことができ、仕事の生産性も高くなります。

エンゲージメントが高まる

従業員エンゲージメントとは、従業員が会社の向かっている方向性に共感し、企業と従業員が双方向の関与によって結びつきを強めていきながら従業員が自発的に組織に貢献したいと思う意欲のことを指します。

働きやすい職場環境の整備はエンゲージメントの観点においても重要視されています。なぜなら、従業員に働く意欲がどれだけあっても、あまりに多い労働負荷や長時間労働が存在するような環境では個人のエンゲージメント維持は難しくなるためです。

人間関係が良好であり、物理的な環境が整っており、作業時間を減らすために業務の分担をしたり、労働時間削減のために業務マニュアル等が用意されるなどワーク・ライフバランスが整えられた職場では、働く人が自己充足感や達成感が得られます。

それだけではなく、企業から見れば企業の人的資本が効率的に活用されている状態とも言え、生産性やパフォーマンスにもポジティブな影響がでることが想定されます。

関連記事:従業員エンゲージメントとは?測定方法と高める方法を解説

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エンゲージメントが向上する健康施策とは?

健康プログラムは従業員エンゲージメント向上につながります。
仕事で忙しい従業員が継続的にプログラムに参加するためには、「興味」「楽しさ」「モチベーション」が欠かせません。
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職場を活性化するためのステップ

職場を活性化するには、設備や費用、人材などを投入しなければなりません。リソースを無駄にしないで効率的に改善を進めるためには、まず現状の課題を見極めてから、どのように改善していくべきかを検討する必要があります。

解決すべき課題の特定

職場を活性化するために、まずはどこに問題があるのかを特定することから始めます。ストレスチェックや従業員サーベイなどを活用すると、解決すべき課題を客観的に見つけることが可能です。

ストレスチェックの実施

ストレスチェックは、職場でのメンタルヘルス不調の予防に使われるテストです。改正労働安全衛生法に基づき、常時50 人以上の従業員を雇用する事業所では、ストレスチェックを年 1 回以上実施することが事業者の義務となりました。

ストレスチェックは、「仕事の要因」、「心身のストレス反応」、「周囲のサポート」の3領域が設問項目に含まれ、最近はハラスメントや働きがいを盛り込んだものもあります。

ストレスチェックの集団分析を職場、各部署などの単位で行うことで、高ストレスの従業員が多い職場を特定できます。高ストレス者の多い職場環境をほかと比較すると、解決すべき課題が見つかるでしょう。

関連記事:ストレスチェック制度は義務?目的や実施方法を解説

従業員サーベイの実施

従業員サーベイとは、従業員の現状を把握するために行うアンケートのことです。従業員が自社に対して抱えている不満を従業員サーベイから読み取れるため、課題を特定して職場改善に生かせます。

ストレスチェックや従業員サーベイを実施すると、周囲のサポートが手薄なところや、従業員の望む職場状況と現状とのズレなど、上層部からは見えづらい不満やストレスの原因が従業員目線から明らかになり、対策を立てやすくなります。

例えば、「他部署との連携がとりづらい」「チームに一体感がない」「キャリアに不安がある」「仕事の負担が増えた」など、すでに組織として感じていた課題だけでなく思わぬ課題が浮き彫りになることもあるでしょう。

やり方によっては形骸化するおそれもあるため、従業員が率直に回答できるよう、目的を丁寧に説明し、理解を得た上で取り組む必要があるでしょう。

心理的安全性の確認

「心理的安全性」とは、自分がミスをしても非難されることがないという信頼をチームが築いており、対人関係の不安がなく仕事に挑戦ができる状態を指します。職場内で、一人ひとりがイキイキと働く環境かどうかを確認することができます。

エドモンドソン教授が提唱している7つの質問によって、この「心理的安全性」の度合いを測れます。

回答は「まったくそう思う」から「まったくそう思わない」までの7段階評価(自分の気持ちに最も近い数字を1.2.3.4.5.6.7から選択)を行います。合計得点が高ければ高いほど、心理的安全性が高いチームであると言えます。

関連記事:心理的安全性とは?測り方、作り方、マネジメントの役割を解説

職場活性化計画の作成と実施

職場を活性化するためには、自社の状況にあった計画の作成と実施が不可欠です。

計画・実施・実施後の流れを確認しましょう。

活性化計画の作成

上記での課題の特定で検討した結果を参考に、改善についての計画を職場ごとに決めていきます。職場の状況や資源(人的、物的)を考慮して、すぐに取り組めるもの、低コストで実施可能な具体的な改善策から行うことが大切です。

改善策は 1 つでもよいですし、複数実施してもよいです。小さな改善、業務に役立つ改善、働きやすくなる改善を重視しましょう。

活性化計画の実施

複数の職場で並行して取り組んでいることがわかるように広報しながら進めるとよいでしょう。また、改善の実施に際して、特定の人に負担が集中しないよう職場全体で協力しながら進めるように支援することが必要です。

他の職場での取り組み状況が進んでいることを知らせることで、取り組みが停滞している職場が活性化することもあります。

例えば、各ミーティング等で取り組みの途中経過や達成状況を共有していくことで、すぐに業務に活かせる内容ほど一歩が踏み出しやすくなり、具体的な行動への後押しにつながります。

どのような状況や工夫によって活性化の取り組みが促進されるのか、停滞させるのかを横断的にみることが大切です。

成果報告と記録

活性化計画の実施内容や改善に取り組んだことでの成果(効果)は、必ず記録するようにしましょう。報告する内容を事前に決めておくと、負担が少なく取り組みの進捗や成果が確認できます。

複数の職場で職場活性化に取り組んでいる場合、職場内で改善の成果発表の場を設けると良いでしょう。その際、良い改善に取り組んだ職場を表彰するなど成果を確認する場を設けると、職場環境改善の取り組みに対する継続意欲が高まります。

取り組み実施後、ストレスチェックの集団分析結果を活用して実施前後の変化を見ることで、取り組みの効果を評価できます。取り組みを評価し、見直すことで PDCA サイクルに沿った職場づくりを継続するヒントが得られます。

職場が活性化するための具体的な施策

職場が活性化するための要素には、職場環境と従業員の心身の状態の両面を意識する必要があります。一つの要素だけを改善しただけでは不十分で、どちらの要素も疎かにはできません。

ここからは、それらの要素が具体的にどのようなものかを解説いたします。

職場環境の改善をする

従業員が1日の多くの時間を過ごす職場環境が悪いと従業員に大きな負担がかかり、企業の生産性低下にもつながりかねません。下記の点で改善を図り、従業員が働きやすい快適な職場環境を形成するしていきましょう。

仕事の進め方を見直す

仕事の進め方で悩んだり抱え込んだりすると、ミスやトラブルの原因になったり、その対処に費やす時間が増える可能性が高くなります。仕事の進め方が悪いと感じる場合、業務効率を改善するには「段取り」を整える必要があります。

この段取りを個人個人で対策するのではなく、チーム全体で業務内容、業務工程の負担を軽減させるなどの改善策を講じると、業務の効率化につながります。

普段の仕事のなかで従業員がストレスを感じている部分を特定し、工程を簡略化することも検討できます。まずは業務分担が適切かを確認し、一部の従業員に負担が偏らないよう従業員全員が協力しながら効率よく業務を行う必要があります。

▼実施施策例

  • チームミーティングを定期的に開催する
  • 部署内のスケジュールや必要資料の共有の仕組みづくり
  • 会議数や会議時間の見直し
  • 作業の段取りの見直しやマニュアル化
  • 1on1の実施
  • 時間外労働の事前申請制の導入
  • リモートワークの活用推進

作業場・オフィス環境を整える

仕事の生産性や効率性を向上させていくうえで、働きやすい作業場・オフィス環境であることは、業務がスムーズに遂行されることにつながります。

かつては、作業場やオフィスは単に「人が集まる場所」としての認識しかありませんでしたが、IT環境の推進、生活スタイルの変貌とともにその空間自体が働く人のモチベーションに大きく影響することがわかってきました。

人と人との交流が活性化されることによって生産性向上のアイデアや想いがブラッシュアップされ、職場がさらに活性化されていくことにつながります。

具体的にはオフィスの温度や明るさ、音、香り、触感などの五感に影響を与える環境要素、快適さを感じさせるパーソナルスペース、姿勢を正せるゆとり、設備の配置などが挙げられます。

業務環境を形成する際には、不快さを感じさせる原因を減らして、快適な作業環境を維持管理する必要があります。眩しい照明や暗い照明、空気の汚れ、悪臭、寒さや暑さ、多湿や乾燥などを、業務環境に適した状態に調整して維持します。

作業動線も確認しましょう。オフィスのデスクやキャビネット、コピー機などが使いづらい位置にある場合、ファイルの取り出しなどに無駄な動作が発生して、業務の効率が下がります。共用の機器はどこからも行きやすいように動線を考慮した配置に変更すると、業務効率がアップし、生産性の向上も期待できます。

▼実施施策例

  • 快適な作業環境の確認(音・温度・空調・明るさ等)
  • 快適な共有スペースの確保
  • 動線の確保・レイアウトの見直し
  • フリーアドレス制度
  • リフレッシュスペースやミーティングスペースの確保

心地よい人間関係づくりと相互支援の環境づくり

人間関係が悪い職場環境では、従業員がメンタルヘルスの不調で悩んだり、心身症(ストレス性内科疾患)にかかったりする恐れがあります。

従業員同士が円滑なコミュニケーションを取るためには、共同の作業スペースを設置するなど、コミュニケーションが生まれやすい職場を作ることが大切です。お互いに「気軽に話す、笑う、感謝する、それぞれの業務内容を知る」などのコミュニケーションを取り、理解し合う関係を作ることが職場活性化につながります。

相互支援を実現するために残業時間を管理したり、有給休暇の取得率を上げる対策を講じたりすることも必要です。普段から有給休暇を取りやすい雰囲気だと、この職場なら無理なく働けると感じる従業員が増え、離職率も低下するでしょう。

▼実施施策例

  • フレックスタイムの導入
  • 業務中の中抜けを可能にするシステム作り
  • サンクスカードの導入
  • ランチ会の実施
  • 勉強会の開催
  • 心理的安全性の確保
  • コミュニケーションツールの活用
  • 従業員懇親会費補助

安心できる職場の仕組みづくり

従業員が育児休暇や介護休暇などの制度を利用しやすい環境をつくることも大切です。家庭と仕事を両立できる職場環境がつくられていると、従業員が長く勤めやすくなり、研修や教育にかかるコストや時間を削減できます。

キャリアやハラスメント等に悩んだ際に相談できる窓口があることも、安心できる職場の仕組みづくりには欠かせません。

▼実施施策例

  • 定期的な全社ミーティングの実施(方向性やビジョンの共有)
  • 相談窓口の設置
  • ハラスメント対応マニュアルの作成
  • 資格取得の後押し
  • 育児休暇の促進

成長を実感できる人材育成の仕組みづくり

成長の実感は、職場が活性化するうえで重要な要素のひとつです。自身のキャリアを考える人材にとって成長につながっている実感は、仕事を続けていく上で何よりのモチベーションになります。

一人一人がイキイキと働けるような人材育成の仕組みを模索するとともに、キャリア相談の窓口を設置するなど、個人と組織全体の成長を支援する仕組みは職場の活性化に大きく貢献するでしょう。

従業員の心身の状態を健全に保つ

ここまで見てきたような通常の職場環境改善策に加え、健康経営の視点を取り入れることでより効果的に従業員の負担やストレスを軽減でき、さらなる職場活性化につながります。

健康経営とは、『従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法』です。健康施策にかかる支出をコストと考えるのではなく、『投資』としてとらえることが重要になります。

従業員の健康を増進するために一日の中で多くの時間を費やす「仕事」の中で健康を保持・増進する行動をとりいれることで生産性の向上・組織の活性化を図り、最終的には業績の向上・企業価値の向上を目指す取り組みになります。
関連記事:【徹底解説】健康経営とは?

元気な心と体で仕事に取り組むことで、余裕をもって業務を進めることにつながります。その結果、集中力や創造力が高まるため、生産性高く仕事に取り組むことができます。

運動機会の増進

身体活動・運動の促進は生活習慣の改善だけでなく、プレゼンティーイズムの改善にもつながります。

プレゼンティーイズム(presenteeism)とは、WHO(世界保健機関)によって提唱された、健康問題に起因するパフォーマンスの損失を表す指標です。欠勤には至っていないものの「健康問題が理由で生産性が低下している状態」を指します。言い換えると、心身の不調によって、パフォーマンスが思うように出せない状況のことです。

プレゼンティーイズムによる一人当たりの年間損失額の1位は頸部通・肩こり、3位は腰痛となっています。これらの症状に対して、職場環境の改善に加えて、定期的な身体活動が役立つと考えられます。

運動機会の促進にあたり、研修会内での運動イベントの実施など単発の施策に加えて、運動習慣の定着に向けた継続的な施策も同時に行うことが重要となります。

▼実施施策例

  • ウォーキングイベントへの実施
  • 運動会などのスポーツイベントの実施
  • ラジオ体操の実施
  • 運動サークルの運営
  • 徒歩や自転車での通勤環境の整備
  • スポーツクラブへの補助金
  • 福利厚生の整備

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食生活の改善

適切な量とバランスの良い食事は運動習慣と並んで従業員の心身を活性化し、業務のパフォーマンスをあげる取り組みとして欠かせません。職場において、従業員が自ら正しい食事を選べるように、継続的な情報提供や実践活動、サポートが必要になります。

食事セミナーを実施することで従業員の健康に寄与するだけでなく、セミナーを通じて得た学びについて従業員同士でのコミュニケーションにつながるなどの面でも活性化対策としておすすめです。

▼実施施策例

  • 社食などで健康づくり支援メニューを提供・栄養素やカロリー等の表示
  • 食事セミナーの実施
  • 健康に配慮した食事・飲料の提供や補助
  • 外部事業者等の栄養指導・相談窓口の設置
  • 食生活改善アプリ提供等のサポートの実施
  • 特定保健指導の実施

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たばこ対策の推進

受動喫煙によってさまざまな病気のリスクが高くなることから、健康増進法にて必要な措置を講ずるよう努めるべき旨が定められております。厚生労働省は、事業者における受動喫煙防止対策を推進しています。

▼実施施策例

  • 受動喫煙対策の教育・啓発の推奨
  • 禁煙インセンティブの導入
  • 喫煙所の廃止
  • 建物内完全分煙
  • 医療機関で行う禁煙治療プログラムの補助金の実施

休養の見直し

長時間労働は過労死やメンタルヘルス不調につながります。企業はリスクマネジメントの視点からも、長時間労働によって従業員の健康が損なわれないように、時間外労働の削減や、有給休暇の取得促進を行う必要があります。

▼実施施策例

  • 有給休暇取得目標の設定
  • ノー残業デーの導入
  • 残業を事前承認制にする
  • 勤務間インターバル制度を導入する
  • 業務繁閑に応じた営業時間を設定する

メンタルヘルス対策の推進

メンタルヘルス不調は脳の機能低下をもたらし、集中力や判断力を鈍らせます。その状況が深刻化すると生産性の低下につながります。

また、一緒に働いている身近な仲間が2人、3人とメンタル不調によって業務効率が下がったり、体調不良になっていくと、不穏な空気感がひろがります。そして不調ではない従業員に対しても、不安感をもたらしたり、モチベーション低下を招くことがあります。

運動や食事と同様、メンタルヘルスを推進していくことで従業員のパフォーマンスを向上させ活気のある職場を実現させていきましょう。

RIZAPのメンタルヘルスセミナーは運動実践を兼ねているため、通常のメンタルヘルスセミナーでの座学のように一方的に学びを得られるだけでなく従業員同士のコミュニケーションの活性化や、運動実践からのメンタルヘルス対策を実現できます。

▼実施施策例

  • ストレス緩和ケア
  • セルフケア研修の実施
  • メンタルヘルスセミナーの実施
  • ラインケアに関する教育・研修の実施
  • 早期発見のための体制整備(相談窓口の設置など)

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アプローチの主体の違いによって起こるメリットデメリット

職場で実施されている活性化のための施策は誰が改善の実施主体者なのか、「経営者主導型」「管理者主導型」「従業員参加型」とさまざまな改善主体が想定されます。

それぞれの改善主体によってメリットや留意点が異なります。職場の特性や課題を踏まえて、計画をすすめていきましょう。

経営者・人事主導型

経営者主導型とは経営者が自らの経験や知識、経営判断等により施策を実施することで、人事主導型は人事による人材育成の意味合いで施策が実施されることをいいます。

【メリット】
・人事的な介入(ストレス要因の管理監督者の異動等)が容易なこと
・予算面で折り合いが付きやすい
・費用のかかる改善の実施可能性が高まる

※留意点
・経営者の考え方に依拠するので現場とのニーズにギャップが生じる可能性もある

管理職主導型

管理職主導型とは、職場の方針に基づき職場の改善を管理職が実施することをいいます。実施内容や改善手法等は管理職研修等を通じて伝達されることが多いです。

【メリット】
・管理職の役割の一つとして位置づけられているため強制力を持って実施できる
・職場労働者の負担が少ない

※留意点
・管理職の負担が大きい
・労働者(現場)ニーズとのギャップが生じる可能性がある
・やらされ感が強い場合もある

従業員参加型

従業員参加型とは、職場単位で自主的な取り組みとして実施することをいいます。現場のスタッフでのミーティング結果に基づき実施していきます。

【メリット】
・現場を良く知る労働者の参加により適切なアセスメントが可能になる
・対話による民主的な雰囲気が醸成される
・職場全体への波及効果がある
・成功した場合の効果が高い

※留意点
・時間的・心理的な負担が大きい
・担当者の負担感が生じる可能性がある

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エンゲージメントが向上する健康施策とは?

健康プログラムは従業員エンゲージメント向上につながります。
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施策を進める際に気をつけるポイント

職場を活性化するために必要な施策は組織体制やビジネスモデルによって異なるため、具体的な取り組みに絶対的な正解はありません。しかし、改善を目指す上で注意すべきポイントにはいくつかの共通点があります。とくに気をつけるべきポイントは以下の4点です。

現場の声を大切にする

職場の活性化を急ぐがゆえに陥りがちなのが、トップダウンに偏った施策の実施です。

組織を牽引するトップの質がイノベーションの創出に大きく影響します。しかし、組織の変革をトップダウンで行う場合、指標となる数字だけで判断を下したり、現場の声をヒアリングせずに独断で進めてしまったりすると、従業員からの賛同を得られず離職者が増加する事例も少なくありません。

トップによる迅速かつ的確な意思決定は必要ですが、活性化を達成するには現場の声に耳を傾け、従業員の意向を汲み取る柔軟な姿勢が求められます。

職場のいい点に目を向ける、強みをさらに伸ばす

様々な施策を検討する際に職場の状況を確認していくと、どうしても「足りない部分」「欠けた部分」が気になってしまいます。心理学の研究では、人間には「観察者バイアス」と呼ばれる、思い込みで対象を見てしまう特性があることがわかっています。

欠点を直していくことはもちろん大切ですが、まずはすでに実施されている職場の施策の効果を改めて確認したり、今回気が付いた「良い点」を伸ばすことをより職場に浸透させていくことが大切です。複数職場がある場合にはすでに行われている良い点を波及させていくことで、他の施策の取り組みやすさや協力体制などが整っていきます。

定期的に確認する

活性化への取り組みは一度の実施で終わりではありません。「計画(Plan)」→「実行(Do)」→「評価(Check)」→「改善(Action)」のPDCAサイクルを回し続ける継続的な改善が成功の鍵です。

PDCAサイクルには、仮説を立てて実行に移し、得られた知見をもとに改善を繰り返すことでノウハウが蓄積されるメリットもあります。より効率的かつ生産的なマネジメントを目指して、PDCAサイクルを定期的に実施することが重要です。

すぐできることから始め、段階的に活性化をすすめる

難しい課題に取り組むことが職場の活性化にとって大きな前進になります。

ですが、初期のうちはすぐに実現できる課題から取り組みましょう。「小さな達成感」と「少しの変化」を積み重ねていくことが、継続的な施策をすすめていくうえでとても大切です。

すぐできることから実施していくことで、職場活性化に対するハードルを高めることなく周りからの協力も得やすくなります。協力関係が広まってきたところで徐々に施策のハードルを徐々に高めて段階的に活性化をすすめていきましょう。

職場活性化につながるRIZAPの健康セミナー

一般的に、健康セミナーを導入する主な目的としては「従業員の健康意識の向上」が挙げられます。健康状態は従業員の職場での働く意欲や働き方、普段の生活習慣にも影響しています。

健康セミナーを実施することで生活習慣の改善はもちろん、健康増進に励むことで自己肯定感が上がったり、ライフワークバランスが高まり生産性の向上や従業員満足度の向上にも繋がるでしょう。

健康は全ての従業員に共通するテーマのため、普段はなすことのない人同士が交わるきっかけになるため職場の活性化に繋がりやすいです。

特にRIZAPでは参加者の積極的な参加を促す内容の健康セミナーを実施しており、健康意識の変容だけでなく従業員同士のコミュニケーションの促進を目的としてご導入いただくことが多くあります。

業務以外の共通の話題としてセミナー後にも交流が生まれるため、社内コミュニケーションが活性化されます。

参加者満足度も98%※1と高く、参加者が受け身でなく、積極的にコミュニケーションをとりながら楽しく参加している様子が特徴です。※1 セミナー開催後アンケート集計 2020年10月~2021年7月 N=10,613

テーマも全15種類あり、運動・食事・メンタルヘルスはもちろん、従業員の健康課題に合わせたセミナー内容が揃っており、経験豊富なRIZAP講師が各社の状況に合わせてカスタマイズしています。

ぜひ一度、職場活性化への施策としてご検討してみてはいかがでしょうか。

社内コミュニケーション活性化へ
RIZAP健康セミナー

1,600社、19万人以上に健康プログラムを提供してきました。
その中で、行動変容まで導くRIZAPの健康セミナーは満足度が98%ととても好評となっております。
健康増進やコミュニケーションの活性化に。

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健康風土醸成につながったベネッセのサポート事例

従業員の健康増進を推進株式会社ベネッセホールディングスでRIZAP健康セミナーをご導入いただき、下記の結果につながりました。

  • 健康セミナーの参加申し込み人数が、翌年に4倍、翌々年には9倍に推移
  • 健康経営優良法人2021でホワイト500に認定
  • 従業員の健康や運動への取り組みが定着し自発的な動きがでてきた
  • 「社員の働きがい」のスコアが、2018~2021年の3年間で64.7から68.2に向上している

ベネッセグループは、比較的若い従業員が多く、病気の人が多いわけではありませんが、生活習慣病予備軍については気を付ける必要があり、生活習慣病の予防としてポピュレーションアプローチをいろいろ実施してきた過去がありました。
しかし、健康無関心層が集まらず毎回関心のあるメンバーしか集まらないなど健康施策に関して苦戦を強いられている現状を変えるため、RIZAPの健康セミナーの導入を実施しました。

セミナー参加申し込み人数は翌年に4倍、翌々年には9倍もの推移を遂げる結果となりました。
2年間で9倍の参加申込数の増加を達成し、健康風土醸成につながっていると考えられます。また、健康や運動への取り組みが定着し自発的な動きがでてきました。

ベネッセグループでは、健康施策の取組みの多くをオンラインで行い、様々な施策を通して従業員の健康増進を図り、その取り組みが評価され『健康経営優良法人2021』の「大規模法人部門」1,801法人のうち、さらに上位500法人である「ホワイト500」企業としての認定となりました。

ホワイト500への認定に対してRIZAPが少しでも携わることができたのはもちろんですが、ベネッセグループの従業員さまの健康増進にお役立てできたことは、とても嬉しく思っております。
健康経営の実現にあたり、RIZAPが提供すべき価値は『従業員一人ひとりの健康を通して人財価値を高める』ことだと考えています。

人生100年時代を見据え、従業員が健康で働きがい・生きがいをもって輝き続けられるようこれからもサポートしてまいります。

株式会社ベネッセホールディングスの詳しい事例紹介はこちら 

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