ポピュレーションアプローチとは?具体的な取り組み例と効果

ポピュレーションアプローチとは、集団全体を対象として働きかけを行い、全体としてリスクを下げる取り組み方法を指しており、一次予防の役割になります。健康リスクの改善へ向け、集団全体に働きかける健康増進の取り組みとして有効です。

集団全体の健康リスクを下げられる一方、漫然と実施してしまうと効果が得られず、費用対効果が低くなる可能性が大きくあります。

そのため、この記事ではポピュレーションアプローチの効果や意義を解説し、効果的なアプローチ方法と事例をお伝えします。

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目次

ポピュレーションアプローチとは?

ポピュレーションアプローチとは、集団全体を対象として働きかけを行い、全体としてリスクを下げる取り組み方法を指しており、一次予防の役割になります。

大人数の集団に対して健康増進を行う際の方法として、大きく分けてポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチという2つ方法が考えられます。特徴は以下の通りです。

ハイリスクアプローチ:健康リスクが高い人を対象とした取り組み方法
ポピュレーションアプローチ:それぞれ個人のリスクとは関係なく、集団全体に対して潜在的な健康リスクに対して行う取り組み方法

下記のような分布図で考えてみると、ポピュレーションアプローチは分布全体を低リスクに少しずつシフトさせるような働きかけで、ハイリスクアプローチは、ハイリスクの人の人数を減らすような働きかけとなります。

※引用 社団法人日本看護協会『やってみよう‼ポピュレーションアプローチ』

ポピュレーションアプローチの対象が集団でハイリスクアプローチの対象は個人という捉え方ではないので注意しましょう。

リスクを全体的に下げる働きかけ ❘ ポピュレーションアプローチ

ポピュレーションアプローチは、健康リスクに対する取り組みの一つです。集団全体を対象として働きかけを行い、全体としてリスクを下げる取り組み方法を指しており、一次予防の役割になります。そのため、予防活動や公衆衛生活動など低リスク・潜在的な健康課題に対しての取り組みが多くなります。

健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health : SDH)という言葉があり、健康への影響は、遺伝や個人の生活習慣だけなく、家庭・職場・地域などの個人を取り巻く環境や、職業・学歴・所得などの社会的経済状態などからも大きく受けることを意味しています。

ポピュレーションアプローチは、この社会的決定要因への取り組みであり、健康を支援する環境づくりとしての役割も担います。

ポピュレーションアプローチの効果・意義

ポピュレーションアプローチのメリットとしては以下が挙げられます。

・集団全体に効果が及ぶ
・集団全体としての発症者の減少効果が大きい
・集団からハイリスク者を選ぶ手間が省ける

反対に、デメリット・リスクとしては以下が挙げられます。

・個人への効果が低い
・不十分な介入の場合、健康格差が拡大する可能性がある
・漫然と実施した場合、費用対効果が低い

引用:公衆衛生がみえる2020~2021、一部改変

■人々の関係性への効果

ポピュレーションアプローチでは全従業員を対象にした取り組みを行いますが、従業員の家族や、取引先の顧客を巻き込んだ施策を実施することもあります。

そうすることで、コミュニケーションも活性化され、組織内外で様々な形で関係を構築することができます。健康文化の醸成にはいかに多くの人を巻き込めるかが重要であり、ポピュレーションアプローチは大きな役割を担っています。

■個人の選択が変わる

健康増進にあたり、健康的な生活習慣を身につけることが重要となります。

生活習慣は属している環境に大きく影響を受けます。例えば、喫煙に関して禁煙促進など会社がしない場合、従業員が禁煙をするきっかけは少なくなります。

ですが、会社でルールとして全面禁煙にせずとも、『喫煙することは自身の健康障害を引き起こすだけでなく、周囲の健康被害の要因にもなります。』といった禁煙を促す啓蒙活動をするだけでも、禁煙を推進したり、新たに喫煙を開始する人を減らすことができるでしょう。

実際に従業員が健康増進に対して消極的な場合でも、ポピュレーションアプローチを通し、健康的な選択をすることが自分だけでなく周囲にも影響を与えることを理解することにも大きな意義があります。

健康リスクの高い人への働きかけ ❘ ハイリスクアプローチ

潜在リスクへの取り組みとしてポピュレーションアプローチとあわせ、顕在リスクへの取り組みとしてハイリスクアプローチという方法があります。

一般的にハイリスクアプローチは、健康リスクの高い人を対象とした取り組み方法を指しており、個別もしくは集団での生活指導や治療といった二次予防の役割になります。

保険者に実施義務が課されている「特定保健指導」がハイリスクアプローチの一例となります。

特定健診の対象者が40歳~74歳となっており、受診結果から生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善によりメタボリックシンドロームなどの解消や予防効果が高く期待できる方に対してのみ専門スタッフ(保健師や管理栄養士)が行う保健指導になります。

RIZAPが行う特定保健指導の取り組みはこちら

ハイリスクアプローチの効果・意義

ハイリスクアプローチのメリットとしては以下が挙げられます。

・個人への効果が高い
・対象を絞ることができる
・効果的に健康リスクを予防・抑制することが可能

反対に、デメリット・リスクとしては以下が挙げられます。

・集団全体にリスクが広く分布する場合には有効に機能しない
・成果は一時的、限局的なことが多い(事業終了後、維持するのが難しい)
・集団全体への波及効果が小さい

どちらから取り組むべき?

ポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチは、どちらかだけを取り組むといったことは推奨されません。対象となる健康問題や集団によって、いずれかを選択、あるいは組み合わせて実践・展開することが必要です。

ハイリスクアプローチがあることでポピュレーションアプローチがより効果的になり、ポピュレーションアプローチがあることでハイリスクアプローチがより効果的になると言われています。

健康問題を解決するためには、ポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチをうまく組み合わせ、相乗的に効果を最大化することが望ましいです。

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ポピュレーションアプローチの具体例

健康増進のプラン例を健康課題ごとに解説していきます。

運動促進

身体活動・運動の促進は生活習慣の改善だけでなく、プレゼンティーイズムの改善にもつながります。

プレゼンティーイズム(presenteeism)とは、WHO(世界保健機関)によって提唱された、健康問題に起因するパフォーマンスの損失を表す指標です。

欠勤には至っていないものの「健康問題が理由で生産性が低下している状態」を指します。言い換えると、心身の不調によって、パフォーマンスが思うように出せない状況のことです。

プレゼンティーイズムによる一人当たりの年間損失額の1位は頸部通・肩こり、3位は腰痛となっています。これらの症状に対して、デスクワーク環境の改善に加えて、定期的な身体活動が役立つと考えられます。

  • ウォーキングイベントへの参加
  • 運動会などのスポーツイベントの実施
  • ラジオ体操の実施
  • 運動サークルの運営
  • 徒歩や自転車での通勤環境の整備
  • スポーツクラブへの補助金、福利厚生の整備

運動不足解消の取り組みはこちら

従業員の運動不足解消に
RIZAPウェルネスプログラム

会社で健康セミナーを実施したい、従業員に健康になってほしい、効果のある施策を運動施策を実施したいというご担当者様はぜひこの資料をお役立てください。

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食生活の改善

適切な量とバランスの良い食事は運動習慣と並んで生活習慣病予防の基本となります。

職場において、従業員が自ら正しい食事を選べるように、継続的な情報提供や実践活動、サポートが必要になります。

  • 社食などで健康づくり支援メニューを提供
  • 社食等での栄養素・カロリー等の表示
  • 健康に配慮した食事・飲料の提供や補助
  • 食生活改善アプリ提供等のサポートの実施

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メンタルヘルス

厚生労働省の実施している労働安全衛生調査によると、仕事で強いストレスを感じている従業員の割合は約6割となっています。

メンタルヘルス不調は脳の機能低下をもたらし、集中力や判断力を鈍らせます。その状況が深刻化すると生産性の低下につながります。また、一緒に働いている身近な仲間が2人、3人とメンタル不調によって業務効率が下がったり、体調不良になっていくと、不穏な空気感がひろがります。そして不調ではない従業員に対しても、不安感をもたらしたり、モチベーション低下を招くことがあります。

また、プレゼンティーイズムの原因は腰痛や肩こりのような運動器の障害だけでなくメンタルヘルス不調も原因となります。メンタルヘルスの対策として「運動」を取り入れることが有効というデータもあり、RIZAPではメンタルヘルスセミナーに運動を取り入れています。

  • 職場環境の改善
  • 早期発見のための体制整備(相談窓口の設置など)
  • ストレス緩和ケア、セルフケア研修の実施
  • ラインケアに関する教育・研修の実施
  • 運動を取り入れたメンタルヘルスセミナーの実施

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働き方・休養

長時間労働は過労死やメンタルヘルス不調につながります。企業はリスクマネジメントの視点からも、長時間労働によって従業員の健康が損なわれないように、時間外労働の削減や、有給休暇の取得促進を行う必要があります。

  • 一定の時間になった際のPCの強制シャットダウン
  • 時間外労働の事前申請制の導入
  • ノー残業デーの導入
  • 有給休暇取得目標の設定、計画的付与制度の導入
  • 在宅勤務制度などテレワークの導入
  • フレックスタイム制、裁量労働制などの導入

たばこ

受動喫煙によってさまざまな病気のリスクが高くなることから、健康増進法にて必要な措置を講ずるよう努めるべき旨が定められております。

職場では25%が受動喫煙を受けている現状です。厚生労働省は、事業者における受動喫煙防止対策を推進するため、「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」を策定しています。

  • 受動喫煙対策の教育・啓発の推奨
  • 禁煙インセンティブの導入
  • 喫煙所の廃止、建物内完全分煙

多くの企業が実施しているポピュレーションアプローチ

実際にポピュレーションアプローチとしてどのような取り組みがあるかをご紹介します。

健康セミナー

多くの企業では、ポピュレーションアプローチとして健康セミナーを開催しています。健康セミナーは導入ハードルが低く、健康増進以外にも様々なメリットがあります。

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関連記事:健康課題に合わせたセミナーを ❘ 企画~効果検証までを解説

人間関係を良好にさせる

健康増進を目的とした健康セミナーには、従業員のメンタルヘルスを良好にし、人間関係をスムーズにするメリットがあります。

健康増進は共通性のあるテーマなので、年齢や業種、役職などの垣根を超えた会話を楽しめるでしょう。

また、チームで取り組み、⽬標に向かって⾼め合ううちに、互いの関係性を深めていけるメリットもあります。

職場環境を改善させる

健康セミナーで健康の重要性を学ぶことで、生活習慣の改善が期待できます。

生活リズムを気にするようになると、自然と働く時間を調整し、無理な長時間労働などを減らすようになります。そのために、個人でも業務効率化を図って生産性の高い働き方ができるようになるでしょう。

また、健康セミナーの実施により、健康的な生活スタイルを経営陣が推奨している姿勢を明確に打ち出せます。従業員としても、ワークライフバランスを重視した生活スタイルを一層取り入れやすくなり、職場環境が改善されるでしょう。

健康情報の発信

簡単にできる取り組みとして、健康情報の発信があります。

従業員の健康リテラシーの向上や、健康への興味関心を高める役割を担っており、重要な取り組みの一つとなります。

健康情報の発信の取り組み例としては以下のようなものがあります。

・毎月メールで健康コラムの配信
・社内ポータルに健康情報を掲載
・社内のトイレや掲示板にポスターを掲示
・食堂メニューに栄養情報の表記

RIZAPでも「RIZAPコラム」という健康情報がまとまったコンテンツがあります。

導入企業のご担当者様が簡単に健康情報を発信でき、約40種類の「RIZAP」のノウハウが詰まったコラムに加え、トレーニング動画もついているため、様々な健康課題の解決をサポートできます。

健康文化の醸成

ポピュレーションアプローチは、集団全体への取り組みになるため、健康文化の醸成に寄与します。

ポピュレーションアプローチにおいて、従業員の施策への参加満足度を高めることができれば、自発的に健康行動を行う従業員も徐々に増加し、健康文化の醸成が見込めます。

健康文化の醸成にあたり、取り組み例として以下のようなものがあります。

・健康情報の定期配信
・健康イベントの定期開催
・健康インセンティブの設計
・家族、取引先を巻き込んだイベントの開催
・健康的な生活習慣ができるようなサポート(社食や福利厚生の充実など)

従業員が積極的に参加しない場合、充分に効果が得られなくなるため、まずは従業員の興味関心を惹くことが可能な取り組みを実施しましょう。

健康イベントの開催

従業員の健康行動へのキッカケを作る役割として、健康イベントの開催が推奨されます。

健康増進を全面に押し出すのではなく、あくまで従業員が興味関心をもって積極的に取り組めるような施策を実施すると、多くの参加者が見込めます。

健康イベントの取り組み例としては以下のようなものがあります。

・運動会
・食育イベント
・ウォーキングイベント
・ヨガやマインドフルネス体験

健康的な職場環境づくり

より効果的に従業員の健康度をあげ負担やストレスを軽減するために、近年重視されている健康経営の視点を取り入れることも大いに役立ちます。健康経営とは、『従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法』です。

あくまで企業が用いる経営手法ですので、従業員の健康を促進することは手段であり、目的は組織の活性化・生産性の向上であり、最終的には業績向上、企業価値の向上を目指します。

健康経営の取組みとして、「職場の活性化」や「ワークライフバランスの推進」など従業員の職場環境改善につながる項目が含まれています。そのため、健康経営と併せて職場環境の改善を推進することで、より効率的に従業員の健康を保持・増進ができ、生産性の向上へ取り組み効果を最大化することができます。

参照:【徹底解説】健康経営とは?目的や効果~具体的な取り組み方

健康経営オフィスとは

健康経営オフィスとは、従業員の健康を保持・増進できるように工夫されたオフィスのことです。オフィスは多くの従業員が1日のうち3分の1以上の時間を過ごす場所です。

それだけ多くの時間を過ごすオフィスに「健康を保持・増進する行動」を取り入れることで、従業員の心身の健康と労働力を向上させる効果を期待できます。

【健康を保持・増進する行動】

  1. 快適性を感じる
  2. コミュニケーションする
  3. 休憩・気分転換する
  4. 体を動かす
  5. 適切な食行動をとる
  6. 清潔にする
  7. 健康意識を高める

健康経営オフィス

参照)経済産業省「健康経営オフィスレポート」

健康経営オフィスへの取り組み方

先の章で紹介した1~7が健康を保持・増進する行動であることは分かりましたが、具体的にどのような行動が該当するのか、自社がどのぐらい達成出来ているのかはイメージしづらいのではないでしょうか。

健康オフィスへの取り組みがどのぐらい達成できているのか、分かりやすい数値で確認したい場合は、「健康経営オフィスチェックシート」を活用するのがおすすめです。

経済産業省による「健康経営レポート」の18ページには「健康を保持・増進する7つの行動」簡易チェックシートがあります。

最初にSTEP1で17項目に該当するかをチェックし、STEP2で結果を集計、STEP3でグラフ化するだけです。ほとんど時間や手間をかけずに、自社の現状を分析できます。自社が達成できていない課題が特定できたら、4ページから6ページまでに記載されている健康オフィスの内容の中から、課題に該当するものを実施しましょう。

こうしたステップを踏むことで、自社の健康経営の取り組み方の現状や、これからの課題が目に見えて分かりやすくなります。社内間の共有にも役立ちますので、ぜひ活用するとよいでしょう。

効果的なポピュレーションアプローチのためのポイント

漫然と実施した場合、うまく効果を得られないことがポピュレーションアプローチの欠点となります。

そのため、効果的なポピュレーションアプローチの実施にはプランがとても重要になります。

※PDCAサイクルのプランのプロセス

  1. 現状の把握
  2. 健康課題の抽出
  3. 背景や要因の分析
  4. 健康課題・対象の明確化
  5. 優先課題・順位の決定
  6. 目的と方法の決定(実施計画、評価指標、評価計画の設定)

引用し一部改変:公益社団法人 日本看護協会「保健師のためのポピュレーションアプローチ必携」平成30年3月

重要なプラン作成

プランが重要な理由として2点挙げられます。1つは課題解決につなげるためです。

PDCAの①~④のプロセスにおいて、正しい課題の抽出を行うことで、正しい施策の実施、そして評価につなげることができます。

①~③において、現状把握や健康課題抽出に活用できるデータの例として以下が参考になるのでぜひご確認ください。その他、自社で取得している従業員サーベイ(パルスサーベイ)や健康施策実施の参加者アンケートも活用できます。

健康課題抽出に活用できるデータ

※引用:令和2年健康経営度調査 調査票 Q27より

2つ目は評価の見える化につなげるためです。

目的が曖昧なまま実施してしまった場合、評価も曖昧になります。ですが、健康課題の抽出や、課題の背景・要因をしっかりと見極めてから実施した場合、明確な指標があるため評価もしやすくなります。

評価方法としては下記のものが考えられます。

・ストラクチャー(構造)評価:仕組みや体制を評価(人・予算・設備・連携等)
・プロセス(過程)評価:結果に至るまでの過程を評価(活動の質・対象者の反応等)
・アウトプット評価:事業実施量を評価(プログラム参加率・プログラム実施回数等)
・アウトカム(結果)評価:事業の目的・目標の達成度や成果の 数値目標に対する評価(生活習慣病の有病者・予備群、死亡率、要介護率、医療費の変化等)

プランの段階からしっかりと指標を見据え、取り組むことで定量的に(数字で)効果検証を行えるようになります。

行動変容ステージに分けたアプローチ

ポピュレーションアプローチでよくある取り組み方法として、一つの施策を従業員に対して同じ呼びかけ方をしている場合があります。
従業員全体での健康状態、興味関心の度合いは違うため、参加モチベーションを少しでも上げるためには、集団をいくつかに分け、呼びかけ方を工夫する必要があります。

その中で行動変容ステージに分けたアプローチも効果的です。行動変容とは、健康保持・増進のために行動や生活習慣、ライフスタイルを望ましいものに改善することを指します。

健康状態や健康意識によって無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期の5つのステージに分けられています。

これを行動変容ステージモデルといい、1980年代に禁煙の研究から導かれたモデルですが、運動・食事など健康に関する様々な行動について幅広く研究と実践が行われています。

行動変容ステージのそれぞれの特徴を把握することで、より効果的な働きかけが可能になります。自社の従業員がどのステージに多いのかを把握し、特徴に合わせた働きかけを行いましょう。

関連記事:行動変容とは?意味や行動レベル別のアプローチ方法を解説

健康無関心層への配慮

特に健康無関心層は行動を変えることが難しいとされており、現状維持バイアスから古い健康習慣との決別ができない人が多くいます。

また、説得的に正論を言われるとつい反発してしまう習性がある人の割合が多いなど、アプローチをする上で気をつけなければなりません。

将来の健康リスクより、現在満足している健康習慣を重視する傾向があるため、健康になることを強制するのではなく、健康改善ではなく、楽しいイベントであることを強めて呼びかけるなど、工夫を行いましょう。

その他、健康イベントの参加により保険料の割引率が変わったり、参加インセンティブを付与することで、参加勧奨をすることも有効な選択肢の一つとなります。

周囲の環境からのアプローチ

より効果的な取り組みをするためには、周囲の環境へのアプローチが重要になります。

部署単位でまとまって取り組むような仕組みにしたり、家族を巻き込んだ施策を行うことで、健康に無関心だとしても「みんながやってるから自分もやらないと」と思い行動する人も増えてくると想定されます。

特に日本人には同調効果が強く働く傾向があるため、部署単位で参加し、競い合ったり協力して推進できる仕組みを用いて、優秀だった部署へインセンティブを与えるなどすることで効果がより見込めると考えられます。

介入のはしごを用いてレベルごとにアプローチ

ポピュレーションアプローチの実施戦略を考える中で、下記の「介入のはしご」を用いて効果的に介入する内容を検討することができます。プランのフェーズにて、自社の健康レベルを把握し、どの程度の介入効果を得たいかにより施策のレベルを考えるとより効果がでる取り組みになると考えます。

【介入のはしご】引用:中村正和「地域づくりにおけるポピュレーション戦略の重要性と国際的動向」地域医学:2016

引用:中村正和「地域づくりにおけるポピュレーション戦略の重要性と国際的動向」地域医学:2016

ただ単に教育として情報を提供する状況は「レベル7」に相当します。一本的なポピュレーションアプローチはレベル7にとどまっていることが多いかもしれません。
その場合、ポピュレーションアプローチの介入効果を上げるためにレベル6・レベル5の段階に進むことが効果的ですが、そこで有効なのが「ナッジ」です。

ナッジとは、人々を強制することなく、自ら意思決定して望ましい行動に誘導するような仕組みをいう

ナッジとは行動経済学の知見の活用で、人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けする手法です。ナッジはコミュニケーションの取り方の工夫になるので、多額の費用をかけずに効果を発揮することができるため費用対効果の高いことが特徴です。

2017年にセイラー教授がこの「ナッジ理論」でノーベル経済学賞を受賞したことを皮切りに実社会の様々なシーンでの利用が始まっています。国内では2018年に初めて成長戦略や骨太方針などにナッジの活用を位置付けられており、現在はがん検診受診勧奨事業等にも活用されています。

例えば、企業で従業員に「野菜・海藻を積極的に食べましょう」と教育・啓発するアプローチは「レベル7」となり、社員食堂などでメニューに含まれる野菜や海藻の量などを表示するのは「レベル6」、メニュー自体の野菜・海藻量を増やすのは「レベル5」となります。

社会的には、たばこ対策に関してはすでに「レベル3」にあたるたばこ税の引き上げ、「レベル2」の公共の場所での喫煙の規制などと組み合わせなければナッジによる行動変容の効果は十分に発揮されないものと考えられています。しかし栄養・食生活の場合は、たばこと異なり食物そのものが人間の生存や健康維持に不可欠なものであるなどそれぞれの分野の背景が異なります。

そのため、それぞれの分野ごとにどのレベルのナッジを設定するとどれだけの効果が見込めるのかを検討していく必要があります。

RIZAP健康セミナーでポピュレーションアプローチを実施した事例

RIZAPウェルネスプログラムはテーマが全15種類あり、運動・食事・メンタルヘルスはもちろん、従業員の健康課題に合わせたセミナー内容が揃っており、経験豊富なRIZAP講師が各社の状況に合わせてカスタマイズしています。

※2021年11月現在 RIZAP提供セミナープログラム例

RIZAPウェルネスプログラムは、導入企業1550社突破、体験者188,000人以上、体重減少率平均6.5%の実績があります。
※2021年6月時点

【結果にコミットできる3つのポイント】

オンライン・オフラインどちらでも実施が可能で、講座形式・実践形式を交えた内容のセミナーになっており、健康意識の向上だけでなく行動変容にまで導くことが特徴です。

●参加者満足度98%、講師満足度98%
RIZAPのセミナーは、今まで数多くの企業で導入いただいているにもかかわらず参加者満足度は98%と非常に高く、受講者が受け身ではなく、積極的に楽しく参加していただけるようなセミナー設計になっています。
RIZAPメソッドを熟知し、セミナー講師として認められたトレーナーだけが、ウェルネスプログラムを担当します。参加者の悩みに寄り添い、「明日から自分もできそう!」と感じてもらえるように熱意をもってお伝えしています。

●お悩みに合わせたオリジナルプラン
コロナ禍でも実施できるオンラインプログラムを中心に、サービスラインナップを充実させています。運動を織り交ぜた講義形式のセミナーだけでなく、E-learningやオンラインや対面式などお悩みに合わせたぴったりのオリジナルプランを実施していただけます。

●「一人ではできない」を「できる!」に変える
RIZAPの健康セミナーは、意識の変容だけでなく、「明日から実践する」ことを目標に、行動変容を促す内容になっています。

RIZAPメソッドの一つは、わかっていてもできない、やりたいけどできない『行動の壁』を打ち破ることです。セミナーの中でも目標設定を行い、習慣化に向けて一歩を踏み出せるセミナー構成となっています。

運動習慣者割合が2年で9倍に │ 株式会社ベネッセホールディングス様

ベネッセホールディングスは、比較的若い従業員が多く、病気の人が多いわけではありませんが、生活習慣病予備軍については気を付ける必要があり、過去に生活習慣病の予防としてポピュレーションアプローチをいろいろ実施してきました。

しかし、健康無関心層が集まらず毎回関心のあるメンバーしか集まらないなど健康施策に関して苦戦を強いられている現状を変えるため、集客に好影響がありそうだと判断してRIZAPの健康セミナーを導入しました。

参加満足度は97.5%と高く、2019年度以降、参加申込人数は翌年に4倍、翌々年には9倍もの推移を遂げる結果となりました。

2020年度より運動不足に悩む企業が増えている中、上記の取り組みの末「運動習慣がある」と回答した割合が毎年向上しています。

導入事例
ベネッセホールディングス様の事例資料

健康施策の参加者数が2年で9倍に!従業員の運動不足の解消に成功!
従業員の働きがいスコアも向上した健康経営推進とは?

資料ダウンロードはこちら

●2019年度
対面形式でのRIZAP健康セミナーを開催●2020年度
コロナ禍につきオンラインでRIZAPの「5minトレーニング」という短時間で運動を行うセミナーを10回連続 (10営業日連続)で開催

●2021年度
毎週金曜日のランチタイムに10週連続でにRIZAPの「5minトレーニング」を開催
および女性向けの健康セミナーの開催

参加者アンケートにおいて「セミナーを通して、健康改善や運動習慣に関する知識や姿勢は向上しましたか」という質問に対して、参加者の85%が向上したと回答があり好結果が得られています。

その他にも、半数以上の従業員から「運動不足の解消・運動習慣の改善」につながった声や、「リフレッシュできた」「気持ちがポジティブになった」と前向きな回答が多く挙がりました。

benesse_運動習慣者比率

※RIZAPウェルネスプログラム導入による直接的な効果を実証するものではありません。
参照:https://benesse-hd.disclosure.site/ja/themes/154

健康リテラシー向上│地方職員共済組合和歌山県支部様

2020年度、地方職員共済組合和歌山県支部様でRIZAPのセミナーを3回にわたり実施いただいた結果、参加者の健康リテラシー向上と行動変容につながりました。

  • 1回目のセミナーで「健康に対して、「必要性は理解しているが行動に移せていない」という回答者が17名いたが、開催後には17名全員の意識変容が見られた
  • 1回目のセミナーから2か月後、「すでに健康行動をしている」人の割合が20.7%から53.1%に増加した

このことから

・短期的ではなく長期的に捉えて研修機会を設ける
・様々なテーマでアプローチする

などの要素がうまく奏功し、参加者の意識変容から行動変容にシフトさせ、更に習慣化にも繋がったということが数値で表れています。

どのようなセミナーだったかという詳細は以下の通りです。

「若年層の肥満率増加」「集客力を強めたい」「40歳以上の生活習慣病の増加」「対面開催が難しい状況」「家族の健康意識も向上させたい」という課題をお持ちの中、3回に分けてRIZAPのセミナーを開催したところ、延べ535名にご参加いただきました。

オンラインセミナーにすることで参加ハードルを下げるだけでなく家族参加も可能となり、知名度のあるRIZAPがコラボレーションすることで集客力アップをサポートしました。
また、個人個人が好きなテーマを選んで参加できるよう、導入編、運動編、食事編の3回で知識の習得が幅広く行える構成にしたり、単発参加も可能とし、各回でより深い知識が得られることで継続参加を促進することができました。

このような開催アンケートはRIZAPウェルネスプログラムのオプションではなく標準サービスとしてご用意しています。セミナーラインナップや価格、他社の事例など、気になる点がありましたらご相談ください。

RIZAPウェルネスプログラム

RIZAPウェルネスプログラムのサービス概要資料です。会社で健康セミナーを実施したい、従業員に健康になってほしい、効果のある施策を実施したいというご担当者様はぜひご覧ください。

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