モチベーションマネジメントとは|社員を動機づけする施策例

モチベーションマネジメントとは、企業がより成長していくために従業員のモチベーション維持や向上に向けた取り組みを組織として行っていくものです。

マネジメントを実施することで、組織としてまた管理職として従業員の状態変化をいち早く把握することができ、解決に向けて動くことができます。

また、モチベーションマネジメントによって従業員のやる気が高まり、主体的に動く意識が向上することで、従業員の自己成長を促すだけでなく生産性の向上や離職率のリスクを抑えることにもつながります。

今回の記事ではモチベーションが低下する原因を理解し、マネジメントを実践する際のポイント、実践事例をヒントにどのように取り組んでいくかをご紹介します。

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目次

モチベーションマネジメントとは

モチベーションマネジメントとは、企業が従業員の外発的動機付け、内発的動機付けの両方に働きかけ、従業員が高い意欲を持って業務に取り組めるように動機づけをし、サポートする施策、マネジメントのことです。

モチベーションマネジメントを実施することで、従業員の意欲が高まり自主的に動く意識が高まると、従業員自身の成長を後押しするだけでなく個人や組織としての生産性が高まり、組織全体の活性化につながります。

実際、調査により企業が能力開発に積極的になったと感じる従業員や、能力開発に関連する人材マネジメントの取組みが積極的に実施されている企業で働く従業員は、仕事に対するモチベーションが上昇している者が多いという結果がでています。

(注)
1)左図は正社員を対象に企業の能力開発に対する積極性の評価別に、仕事に対するモチベーションのD.I.(「上昇」の割合から「低下」の割合を引いたもの)をみたもの。

2)右図は企業におけるいわゆる正社員を対象とした教育訓練の実施状況や能力開発に関連する人材マネジメントの取組み個数別に、正社員の仕事に対するモチベーションの D.I.(「上昇」の割合から「低下」の割合を引いたもの)の差をみたもの。なお、企業調査票と正社員調査票を紐付けたデータをもとに集計した結果となっている。

3)能力開発に関連する人材マネジメントの取組個数が相対的に多い企業は、「目標管理制度による動機づけ」「定期的な面談(個別評価・考課)」「指導役や教育係の配置(メンター制度等)」「企業としての人材育成方針・計画の策定」等といった 11 項目のうち、7個以上を一律実施又は限定実施している企業をいう。能力開発に関連する人材マネジメントの取組個数が相対的に少ない企業は、実施個数が7個未満の企業としている。

参照:厚生労働省 平成30年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-

モチベーションとは

モチベーションは「動機付け」と訳され、一般的には人が何かを行う際の「やる気」や「意欲」といった意味で用いられる概念です。何らかの目的や目標に向かうための「原動力」と言い換えることもできるでしょう。

今や従業員のモチベーションの管理は、企業が従業員の労働意欲や貢献意識を向上するために欠かせない要素の一つとなっています。

2種類のモチベーション

アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグは、モチベーションを決定付ける要素として「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2種類があることを提唱しています。

外発的動機付けとは、その名の通り「外から誘発される意欲」のことです。報酬の獲得や罰則の回避といった外部からもたらさせるものを目標として、その目標を実現させるために行動することを指します。

やる気のない人を行動へ促すことは可能なため、短期間で行動を変容させたい場合は役立ちますが、報酬や罰則に慣れてくると効果がうすくなるため行動を持続させるためにはより強い動機づけを与える必要がでてきます。

内発的動機付けは、自分の中から湧き出てくる好奇心や探究心からなる動機づけを指します。評価や報酬などを得るためではなく「行為そのもの」が目的となり、外部要因による創出がほぼ不可能で、意図的に生み出すのは難しい傾向にあります。

やる気が自分の中から湧いてくるため高い持続性が期待できることから、従業員のパフォーマンスを最大化するためにはいかにして内発的動機付けに基づくモチベーションを創出できるかが鍵となるのです。

モチベーションマネジメントを実施するにあたって報酬や罰則といった外的動機付けだけでは個人のモチベーションの維持が難しく、従業員の能力や生産性向上の促進には限界があると考えられます。

そのため、外発的動機付けに取り組むと同時に従業員の内発的動機付けにアプローチし、従業員自身がやる気や意欲が高められる土台を構築していくことで、組織全体での高い生産性を生み出すことにつながります。

従業員エンゲージメント、ロイヤルティ、従業員満足度との違い

モチベーションと同じ意味であると誤解されがちな言葉として「従業員エンゲージメント」や「ロイヤルティ」「従業員満足度」などがあります。これらの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。

  • 従業員エンゲージメント:会社と従業員の結びつきや信頼関係
  • ロイヤルティ:忠誠心という意味。従業員の企業に対する忠実度
  • 従業員満足度:従業員が待遇や環境、報酬に対しての満足度

エンゲージメントは、企業と従業員が双方向の関与によって結びつきを強めていく点が他の言葉と大きく異なっています。モチベーションは個人主体の動機付けになりますが、エンゲージメントは「周囲のために」「組織の為に」貢献したいという気持ちが大前提になります。

ロイヤルティは、従業員が企業や組織に対して忠誠心を持って行動するという上下の関係性にあります。

従業員満足度は文字通り、従業員の「満足度」を示しており、会社から一方的に与えられた報酬や環境、待遇の上に成り立つものです。福利厚生の充実や労働環境の整備などの施策は従業員満足度を高めることには繋がりますが、従業員の成長や企業の業績アップに必ずしも結び付くとは限りません。

関連記事:従業員エンゲージメントとは?測定方法と高める方法を解説

モチベーションマネジメントに役立つモチベーション理論

従業員の労働意欲や貢献意識を向上するために欠かせないのがモチベーション理論です。

マズローの欲求5段階説

アメリカの心理学者、A・マズローが提唱した「欲求5段階説」という心理学理論は、組織の中でモチベーション向上を目指すときに知っておきたい理論です。

この理論は「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間には5段階の「欲求」がピラミッド状になっており、低い階層の欲求が満たされることによって次の段階の欲求を満たそうとする、というような心理的行動を表しています。

この5つの欲求とは「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」です。

おかれている状況や環境などさまざまな要因から人それぞれで現状の欲求の段階が違うことを示唆するこの理論は、企業が従業員のモチベーションアップのために策を施す場合などに広く参考にされています。

二要因理論

二要因理論とは、アメリカのフレデリック・ハーズバーグという臨床心理学者が提唱した、仕事においてどのようなことで満足し、逆にどのようなことで不満足を引き起こすのか、その要因を分析した理論です。

二要因理論「衛生要因」という不満足に関わるものと、「動機付け要因」という満足度に関わるもので構成されていることが特徴です。

衛星要因:「給与」「福利厚生」「経営方針・管理体制」「同僚との人間関係」「監督(上司との関係など)」といった、仕事の不満に関わる要素

動機付け要因:「達成すること」「承認されること」「仕事そのもの」「責任」「昇進・向上」といった、仕事の満足度に関わる要素

衛生要因は、「整備されていないと社員が不満を感じる」ものの「整備していても満足につながるわけでない」要素です。

動機付け要因は、「ないからといってすぐに不満が出るものではない」ものの「あればあるほど仕事に前向きになる」要素です。

従業員のモチベーションを高めるためには、動機付け要因と衛生要因の片方を満たせば良いというわけではありません。衛生要因は健全に働くための土台となります。衛生要因に関する問題を解消したうえで、満足度をさらに高める動機付け要因を満たすことが必要です。

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モチベーションマネジメントがもたらす効果

製品やサービスの創出を通じて発展する企業にとって、生産性の向上は重要な経営課題のひとつです。そのためには優れた人材を確保し、効率的な生産体制を構築しなくてはなりません。モチベーションマネジメントを最適化できれば、企業に多くのメリットをもたらします。

生産性が向上する

生産性の指標は「生産性=産出量÷投入量」という数式で表せます。最小のリソースでいかに最大の成果を生み出すかが重要となります。モチベーションマネジメントによりモチベーションが向上し労働意欲が高まれば、従業員のパフォーマンスが最大化され、より少ないリソースで多くの成果を生み出せます。従業員一人ひとりが創出する付加価値額や生産量が高まれば、結果として組織全体における生産性の向上につながります。

離職率が低下する

日本は少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少が加速しています。これに伴い深刻化しているのが人材不足です。モチベーションマネジメントにより従業員が自律的かつ自発的なモチベーションを発揮できる職場環境を整えることで、愛社精神や貢献意識といった従業員エンゲージメントの向上につながります。従業員エンゲージメントの高まりは離職率や定着率の改善に寄与し、経営基盤の総体的な強化が期待できます。

企業イメージが向上が期待できる

モチベーションマネジメントにより従業員のモチベーションを向上できると、従業員は丁寧な仕事を行いやすく、商品やサービスなどの質を高める要因になります。

その結果、取引先企業や顧客からの評価が高まり、企業イメージも向上する可能性があるため、従業員のモチベーションマネジメントは欠かせません。

モチベーションが低下する5つの原因

従業員のモチベーションマネジメントの効果を最大化するには、まずモチベーションの低下を招く要因を特定する必要があります。代表的な原因は以下の5つが挙げられます。

評価や待遇への不満

給与や賞与、職場環境、雇用条件、人事評価制度といった待遇に対する不満は、従業員のモチベーションを大きく左右します。

特に日本は年功序列といった従来の価値観が根強く残っている企業が多く、業績への貢献度が見えにくくなりやすい若手・部下の育成や業績向上の両面を求められる中間管理職などの人材が不満を抱きやすい傾向にあります。

人間関係への不満

離職率が高い企業の特徴として挙げられるのが人間関係の不満です。

どのような組織でも人間関係のトラブルは少なからず起こるものです。しかし、ハラスメントやいじめのような状況が常態化し、モチベーション低下の要因となっているケースも少なくありません。

仕事内容への不満

仕事内容に魅力ややりがいを感じられない場合、従業員のモチベーションが低下する傾向にあります。

また、業務そのものに不満はなくとも、過剰なノルマやサービス残業の強制によって不満が蓄積してしまうケースもあります。

将来に対する不安感

未来に対する不安感がモチベーションの低下につながっているケースも少なくありません。

たとえば、企業の方向性に将来性を感じられなかったり、自身のキャリアデザインが不明瞭といったケースが該当します。

身体的疲労の蓄積

日本企業は滅私奉公の精神を好み、長時間労働や残業を美徳とする考えが残っています。

長時間労働が常態化している企業では従業員のワークライフバランスは崩れ、心身ともに不調をきたすことも少なくありません。このような組織体制が続く限り、従業員のモチベーション向上を期待するのは難しいといえます。

モチベーションマネジメントの具体例・施策

モチベーションマネジメントを実施する際には、従業員の状況を把握することを通じて組織としてのマネジメントと、管理職が実施するマネジメントをそれぞれ計画・実施していくことが大切です。

個々のモチベーションと全体の傾向を定期的に把握する

モチベーションマネジメントを実践するには、まず個々のモチベーションやストレス、心身の健康状態などの現状を把握しなければなりません。メンタル面や健康面などの個人の状況や部署ごとの全体の傾向などを確認するための代表的な方法は以下の3つです。

①従業員のモチベーションを可視化する

モチベーションマネジメントの実施には、従業員の声に耳を傾ける施策が必要です。従業員の企業に対する満足度を調査する従業員満足度(ES)調査やパルスサーベイ、職場の推奨度を数値化するeNPS調査といった手法を用いて従業員の声を可視化します。

また、モチベーションに関わるデータの収集・分析に特化したモチベーション管理システムを使う方法もあります。アンケートやストレスチェック、離職の要因予測や集計データのグラフ化する機能を備えており、モチベーションを可視化できるのはもちろんのこと、離職率・定着率の改善にも貢献します。

【従業員満足度を調査する】

従業員の仕事へのモチベーションは、従業員満足度を調査することでも間接的に確認できます。

従業員満足度とは、福利厚生や職場環境、人間関係、仕事へのやりがいなどで計測される、従業員の満足度を表す指標のことです。英語では「Employee Satisfaction」と呼ばれることから、頭文字を取って「ES」と表すこともあります。

従業員満足度が高い場合、従業員は企業のビジョンを深く共感・理解していることが多く、モチベーション高く業務に取り組んでいることが想定されます。また、従業員満足度の調査では、仕事内容や評価・待遇、人間関係などモチベーションに影響する項目が測定できるため、参考にすることができます。

調査する時は、以下の項目に注意するとよいでしょう。

  • 調査目的を明確にする
  • 定期的に同じ調査方法で実施する

単に現在の満足度を把握するだけでなく、「従業員がどのような項目を重要視しているのか」といった価値観まで探るようにすると、具体的な対策方法を検討しやすくなります。

基本的な調査項目は5つであり、必要に応じて独自の内容を加えるとよいでしょう。

▼調査項目

  • 企業への意識:愛着度、経営理念、ビジョン、将来性など
  • 評価や待遇:人事評価、給与、福利厚生
  • 業務内容:やりがい、業務量、裁量権など
  • 管理職:業務の振り割り、部下の指導や育成など
  • 組織風土:コミュニケーション、チームワーク、柔軟な働き方など

関連記事:従業員満足度(ES)の向上メリットは?今すぐ取り組める方法

②従業員の健康状態を定期的に把握する

人は身体が資本であるため、自覚している体調不良だけでなく体型の変化や自覚しきれていない健康数値の悪化等がモチベーション向上を妨げていることもあります。これは身体の調子だけでなく、精神的な面も含めてです。

社員の体調を把握するためにも、健康保険組合等と協力して従業員の健康状態の把握に努めたり、定期的にアンケート等で「体調」について答えてもらう場面を設けましょう。

メンタル面はストレスチェックを実施しましょう。

ストレスチェックとは労働者の心身にどれほどストレス負荷がかかっているか調べるためのテストです。労働安全衛生法に基づき、常時50名以上の従業員がいる事業場に1年間に1回の実施と労働基準監督署への報告が義務付けられています。

ストレスは職場のモチベーション向上を妨げ労働生産性や離職率を悪化させるため、早期対策が不可欠です。これらを定期的にチェックすることで、従業員の健康を守り生産性向上を促す施策を考えていくことができます。

法に基づくストレスチェックは以下の3領域を含むことが必要になります。

  • 仕事のストレス要因:職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
  • 心身のストレス反応:心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
  • 周囲のサポート:職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目

事業者側が従業員のストレス状況やメンタルヘルスを確認できるだけでなく、従業員自身も自らのストレス状態を正確に知る機会になるため、セルフケアのきっかけにもつながります。

関連記事:ストレスチェック制度の目的や実施方法

③定期的な面談や1on1ミーティングを実施する

個々人のモチベーションの状況を掴むには、直接コミュニケーションをとることも効果的です。日々の業務に追われてコミュニケーションがとれないまま、業務の停滞や人間関係の悪化等部下の悩みに上司が気づけず、離職につながるケースも少なくありません。

こうした事態を防ぐためにも、1対1でのコミュニケーションが有効です。信頼関係を築き、個々人の状況を把握するのに役立てましょう。

組織としてのマネジメント

組織として従業員にできることは、昇給や昇進などの動機付け要因や、給与やプロジェクトなどの環境要因が考えられます。ただし、すべての従業員に同じ条件がフィットするとは限らないため、中長期視点での実践が求められます。

下記の内容について確認していきましょう。

  • 管理職の育成
  • 従業員が意欲的に働ける環境の整備
  • 人事制度や待遇の見直し
  • ワークライフバランスの充実
  • 社内コミュニケーションの活性化
  • 従業員の健康への投資
  • ビジョンや理念の浸透

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管理職の育成

従業員のモチベーションを大きく左右するのが、管理職のモチベーションマネジメント能力です。レッドフォックス株式会社の「若者の組織への意識に関する調査」によると、若手社員のモチベーションが変化した理由は1位「業務内容」に次いで、「上司との関係」が2位にあげられています。

モチベーションマネジメントを実施するために、組織として管理職のモチベーションマネジメント能力を育成していきましょう。

RIZAPウェルネスプログラムには管理職向けのモチベーションマネジメントセミナーがあります。こちらは管理職の方が目標達成するための目標設定方法や影響力の方程式、部下のモチベーションを上げ、組織を成功に導くための方法などRIZAPのコーチング術を学べるセミナーです。

従業員が意欲的に働ける環境の整備

社内公募制や社内ベンチャー制、従業員向けコンテストなどの導入は、上昇志向のある従業員のモチベーション向上にプラスに働きかけるでしょう。また、従業員一人ひとりの適材適所を知るためにそれぞれの能力や特性を把握し、人材配置を最適化するマネジメント能力も必要です。

人事制度や待遇の見直し

従業員が評価や待遇に不満を感じる場合、人事評価制度の見直しを検討しなくてはなりません。

たとえば、年功序列による評価に偏っている企業であれば、表彰制度やインセンティブの導入など、業績に貢献した度合を公正に評価する仕組みを整備することで、向上心の高い従業員の更なるモチベーションの向上が期待できます。

ワークライフバランスの充実

ワークライフバランスの実現には、育児休暇や有給休暇の取得促進、福利厚生の充実といった施策が不可欠です。また、テレワークやフレックスタイム制を導入することで、育児や介護などの事情を抱える従業員のモチベーション向上や雇用維持が期待できます。

社内コミュニケーションの活性化

社内コミュニケーションの活性化は良好な人間関係の形成に寄与し、モチベーションの向上はもちろん、業務の円滑な遂行や従業員同士の情報共有に寄与します。

まずは自社の社内コミュニケーションの活性化度を確認することが重要です。具体的に確認する内容としては以下の4つが有効です。

  • 心理的安全性:組織の中で安心して発言できる状態
  • ストレスチェック:ストレス度合い
  • パルスサーベイ:職場への満足度
  • 職場の強みチェックリスト:職場環境

コミュニケーションを活性化させるためには、交流を促進する環境作りや、業務に関わらない環境を企業が従業員に対して提供することが重要になります。

業務時間内であれば、フリーアドレス制の導入やリフレッシュスペースを確保したり、業務時間外であれば、社内サークルやイベントなどを実施することも有効な手段になります。

ワーク・エンゲイジメントの高い従業員は、業務やほかの従業員との関わりも積極的で、役割以外の仕事への取り組みや、部下への指導など、リーダーシップを発揮した行動を取れます。そのため、社内コミュニケーションを活性化させるために積極的に協力を依頼しましょう。

関連記事:社内コミュニケーションを活性化させるメリットやポイントとは?

従業員の健康への投資

従業員の健康悪化は、モチベーションの低下だけでなく、生産性の低下や離職率の増加を招きます。そのため人的資源の心身を健康に保つための仕組みが必要です。

健康増進の取り組みとしては、運動習慣・食事習慣・メンタルヘルスの生活習慣に関わるテーマから改善に取り組むとよいでしょう。その中でも特にモチベーションに関わる要素としてはメンタルヘルスが挙げられます。

厚生労働省の実施している労働安全衛生調査によると、仕事で強いストレスを感じている従業員の割合は約6割となっています。メンタルヘルス不調は集張力や判断力が低下します。また、一緒に働いている身近な仲間へと不穏な空気感が伝わり、チーム全体のモチベーション低下につながる恐れもあります。

そのため、メンタルヘルス不調者が早期発見できるための体制を整備したり、ストレス緩和ケアやセルフケア研修の実施、ラインケアに関する教育・研修の実施を行うことが重要になります。

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関連記事:職場のメンタルヘルス対策とは?

ビジョンや理念の浸透

従業員は給与や生活基盤の安定だけを目的に仕事に従事しているわけではありません。意義深い経営ビジョンや企業理念を共有しエンゲージメントを高めることで、やりがいや働く意義などの内的動機付けを見出しやすい企業風土を構築できます。

管理職が実施するマネジメント

従業員のモチベーションを大きく左右するのが、管理職のマネジメント能力です。モチベーションマネジメントにおける管理職の主な役割は「情報収集」「判断行動」「支援行動」の3つです。従業員のモチベーションを高く保つためには、この3つの領域を意識して人材マネジメントに取り組む必要があります。

・情報収集:部下とコミュニケーションを図り、人材の強みや持ち味を把握しているか
・判断行動:管理職として適切な判断や迅速な意思決定を実行できているか
・支援行動:困っている部下に手を差し伸べ、適切な支援ができているか

コミュニケーションを活性化し、管理職が積極的に部下とのコミュニケーションを行い、業務進行状況や困りごとの解決、成長支援などを行っていくためには、以下のような方法が考えられます。

  • 1on1ミーティングの実施
  • チームミーティングの実施
  • 心理的安全性を高める

1on1ミーティングの実施

1on1ミーティングは1on1とも略されます。一般的に上司と部下の1対1の会議をさし、困っていることを共有してもらったり注意すべき箇所をフィードバックしたりして部下の成長を促します。

1on1は上司と部下だけの空間でコミュニケーションができ、モチベーションをマネジメントする際に必要な要素を満たしやすい特徴があります。

  • ビジョンとミッションの確認
  • コミュニケーションの活性化
  • 成果の明示・努力の把握

「1on1ミーティング」は部下のために使う対話の時間です。もっとも大切なことは、上司部下の信頼関係づくりができるということです。「ヒアリングを中心にすえること」「部下の考え方を受け入れること」を意識していきましょう。

チームミーティングの実施

日次または週次のチームミーティングを行うことによって、プロジェクトの進捗情報を確認したり、負荷がかかっている状況を分散するために話し合いをするなど、チームが抱えている懸念を解消するために不可欠な時間です。

ミーティングの設計は管理職が実施する重要なマネジメントの一つです。下記の点について多くの時間をかけすぎず実施できているか確認していきましょう。

  • 連絡事項の伝達
  • チームメンバーの現状把握と従業員間の情報共有
  • 意見収集
  • 問題解決や合意形成

心理的安全性を高める施策の実施

「心理的安全性(psychological safety)」とは、職場などの組織やチームの中で、意見や質問、違和感の指摘が、いつでも誰でも気兼ねなく発言できる状態のことです。分かりやすい言葉では、「地位や経験にかかわらず、誰もが率直な意見や、素朴な疑問を呈せること」と言われています。

「心理的安全性」は、良好な社内コミュニケーションを築くための大前提です。自分の言動が上司の叱責を招いたり、同僚の不信を買ったりすることがないという「心理的安全性」がなければ、いくらコミュニケーションの機会を設けても従業員は本音で交流することはできません

「私は、この組織に対して気兼ねなく発言できる。自然体でいられる環境・雰囲気がある」という心理的安全性の高い状態を作るには、管理監督者が鍵となります。

心理的安全性を高めるには、以下のような取り組みが考えられます。

  • 発言する機会を均等に作る
  • ポジティブな思考と言動を意識する
  • 1on1ミーティングの価値を高める
  • 一人一人をチームでサポートする

関連記事:心理的安全性とは?測り方、作り方、マネジメントの役割を解説

ラインケアの強化

ラインケアは、職場のライン上にいる直属の上司が部下の異常に気付き対応することです。

部下のモチベーションを向上するために、モチベーションに関する研修や勉強だけでなくメンタルヘルスに関する研修も強化し、ラインケアを実施していく必要があります。管理監督者は日常的に部下と接点があるため、早期発見や問題があった場合のケアにおいて非常に重要な役割を果たします。

働き方の多様化により、異変に気付ける頻度が下がるケースもあるようです。

そのため、積極的に1対1の面談機会を作ったり、なるべくコミュニケーション機会を多く設けるなど、工夫や試行錯誤することが必要です。対面でのコミュニケーション機会が減ってきている中で、いかに早期発見するか、また未然にプレゼンティーイズム・アブセンティーイズムを食い止めるかは組織の重要課題の一つとなります。

産業医面談に至る前に人事や課・部単位でキャッチアップできていれば、プレゼンティーイズムやアブセンティーイズムに陥る従業員を未然に食い止めることや、適切な人材配置等の措置が可能となります。

そういった対策を通じて部下のモチベーションをマネジメントしていくことが可能になっていきます。

課や部の上長または他のメンバーが異変を早めにキャッチアップすることが、組織にとっても従業員にとっても、よりよい「働く環境」になります。

関連記事:ラインケアとは?管理職の役割、メンタル不調・ストレスケア

管理職向けモチベーションマネジメントセミナーについて

モチベーションを上げる方法として、自らのモチベーションをコントロールする方法を身につけることと共に、周囲からの働きかけでモチベーションを上げる方法が考えられます。特に部下を持つ立場にある方は自分だけモチベーションを上げるだけでなく、部下のやる気を引き出す力が求められます。

部下が「仕事をしやすい職場環境」を作るために、上司・リーダーとしてできるスキルを習得する必要があります。多面的に考える思考マネジメント力を身に着けることがポイントです。

RIZAPのモチベーションマネジメントセミナーでは管理職の方向けに、目標達成のための目標設定方法や影響力の方程式など、RIZAPのコーチング術を学べるセミナーとなっています。

こんな従業員におすすめ 職場メンバーの士気が下がっているように感じる方

部下のモチベーションを上げようとしても空回りになってしまう方

部署およびチームの生産性向上を図りたい管理職の方

• 管理監督者、リーダー職、経営者など部下や従業員をまとめる方

• 自律的に成長する社員の育成をめざす手立てとして

期待できる効果 • 仕事をする意味の再発見となる

• 目標の引き上げ方が学べる

• 聴く力が向上する

• 適切なコミュニケーション能力が向上する

• 若手社員の早期退職やメンタル不調を予防

• メンタル不調による休職&採用コストを削減

• プレゼンティーイズムの予防

開催

対面

※業務時間内に管理職等の対象者を集めて開催できる

オンラインLIVE

※テレワークでも問題なく参加できる

関連記事:モチベーションマネジメントとは?組織と管理職の取組例を紹介

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モチベーションマネジメントの実践事例

株式会社ベネッセホールディングス

テレワークが普及している中でもRIZAPのサービスを取り入れ、モチベーションの向上に寄与したベネッセホールディングス様をご紹介します。

下記のように3年間連続でRIZAPのプログラムを取り入れていただきました。

2021年のアンケートでは、健康改善や運動習慣に関する知識や姿勢が「向上した」と回答したのが85%という結果がえられただけでなく、参加した良かったと感じる理由として、「リフレッシュできた」が106で最も多く、「気持ちがポジティブになった」が41、「モチベーションが向上した」も30となっており、気持ちの面での変化もあったことが分かります。

【2019年度】
対面形式でのRIZAP健康セミナーを開催

【2020年度】
コロナ禍につきオンラインでRIZAPの「5minトレーニング」という短時間で運動を行うセミナーを10回連続 (10営業日連続)で 開催

【2021年度】
毎週金曜日にRIZAPの「5minトレーニング」を10週連続で開催
および女性向けの健康セミナーの開催

そして、2018年~2021年の3年間では、働きがいスコアが64.7%から68.2%に向上していることから、従業員のウェルネスプログラムを推進することは従業員のエンゲージメントの向上にも寄与できてきているものと考えられます。

導入事例
ベネッセホールディングス様の事例資料

健康施策の参加者数が2年で9倍に!従業員の運動不足の解消に成功!
従業員の働きがいスコアも向上した健康経営推進とは?

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福井大学医学部附属病院看護部

福井大学医学部附属病院では、常勤看護職員約660人において全体で年間約6万時間超の時間外労働が発生し心身の疲弊にもつながっていました。

そこで働き方改革の一環として、日勤・夜勤で使い分ける「白色・紺色の2パターンのユニフォーム」への変更を実施しました。

職員本人の定時終了の意識を高めるとともに、管理職や他職種からも残業時に周囲から不必要な声掛けをされることが減り、シフト交代時には前任勤務者から残務を引き継ごうとする意識が高まって、取り組み前後で年間900時間の残業時間削減につながっています。

日本調剤株式会社

日本調剤株式会社では、薬局スタッフが専門職としていかに信頼され職能を発揮できるかを評価基準に、年に一度、薬局サービスに優れた店舗・社員を表彰する「JP-CSアワード」を設置しています。

お客様のアンケート等の評価がすべて店舗にフィードバックされ、その結果が周囲へ表彰されるため、従業員のモチベーションアップの源となっています。

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