ラインケアとは?管理職の役割と企業のメンタルヘルスケア

ラインケアとは職場のメンタルヘルスケアの1つで、管理監督者が部下の状態変化にいち早く気付き、解決を支援することです。

適切なラインケアにより、企業のメンタルヘルス状況は改善・強化できます。

そこで本記事では、ラインケアの基礎知識や重要性と、管理監督者の取り組み方の具体策企業としての取り組み方法をご紹介します。

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目次

ラインケアとは?

ラインケアとは、職場でのメンタルヘルスの取り組みのなかでも、マネジメント層と呼ばれる部長や課長などの管理監督者が、部下の「いつもと違う」という変化に気付き、対策とケアを行うことを指します。

厚生労働省が定める「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に示される、メンタルヘルス4つの予防の対策の一つです。

管理監督者は日常的に部下と接点があるため、早期発見や問題があった場合のケアにおいて非常に重要な役割を果たします。

メンタル不調者が現れる原因としても「職場の人間関係」や「上司と部下のコミュニケーション不足」、「仕事量・負荷の増加」など管理監督者が関わる項目が多く挙げられています。

管理監督者としてはラインケアを行わなくても直接的な罰則はありませんが、部下がメンタルヘルス疾患を発症した場合、労災や訴訟に発展する可能性もあります。

部下がどんなことにストレスを抱えているのか、管理監督者は「仕事の要求度」「仕事の自由度」「周囲からの支援」の3つの側面から考えることが必要になります。

また、職場環境には作業環境や作業方法、人間関係、組織形態など様々なものが含まれているので、管理監督者はストレス要因を勝手に決めつけず、部下の話をよく聞いたうえで判断する必要があります。

厚生労働省が定めるメンタルヘルスの「4つの予防」の一つですので、ラインケアが他のケアとどう違うのか、解説します。

従業員自身で行う「セルフケア」との違い

セルフケアは従業員自身でストレスを予防し、気付いた時に適切に対処することです。

朝起きて体がしんどい、思考の鈍って思うように働けない、気持ちが深く落ちこんで、何もやる気が起きない、など自分の変化を「異変だ」と認知し、その対策を行うことを言います。

このセルフケアが十分にできれば、不調を未然に防いだり、重度に至る前に対処でき、組織全体でストレスへの対応力が強化されることとなります。

ラインケアは「管理監督者が気付く」のに対して、セルフケアは「自分が気付く」という点が大きな違いです。

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事業場内産業保健スタッフ等によるケアとの関係

事業場内産業保健スタッフ等によるケアとは、産業医や衛生管理者、保健師、心理職、精神科医など社内の産業保健スタッフ等による支援のことです。

ラインケアやセルフケアが効果的に実施されるよう、産業医や保健師などの専門職や、産業医などの助言や指導のもと従業員や管理監督者に対する支援を行います。またメンタルヘルス対策の立案や、事業所外の専門医療機関等との連携を行うこともあります。

事業場外資源によるケアとの関係

事業場外資源によるケアとは、事業所外の専門機関や医療機関など、メンタルヘルスケアの専門知識を有する外部機関からの支援を受けるメンタルヘルス対策のことです。

例えば、本人と管理監督者間での適切なラインケアが実施されていない場合、本人にとっては管理監督者も事業場の保健スタッフも、所属組織全体への信頼度が薄らいでしまっていることがあります。そういった場合、外部の専門機関と連携を取って対応に当たるようなことがこれに該当します。

またメンタルヘルスの課題解決として、カウンセリングや従業員への教育研修、復職支援、情報提供等、事業場外の第三者として介入することもあります。

事業場外資源の例としては、産業保健総合支援センターや、労働衛生コンサルタント、公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、臨床心理士などの専門職、精神科、心療内科の医療機関が挙げられます。

参照:厚生労働省 「職場における心の健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~」
   厚生労働省「労働者の心の健康の保持推進のための指針」(改正)(平成27年11月)

ラインケアの重要性

ラインケアはなぜ実施する必要があるのでしょうか?うまく実施されている場合のメリットと、もし実施していない場合にどういったリスクがあるのかをご紹介

前述のとおりラインケアは、組織のメンタルヘルスを良好に保つために重要な役割であることが分かりました。

しかしなぜ実施する必要があるのでしょうか?うまく実施されている場合のメリットと、もし実施していない場合にどういったリスクがあるのかをご紹介します。

従業員のメンタルヘルスの維持向上

ラインケアの実施は従業員のメンタルヘルスの維持向上を実現し、健全な企業経営につながります。メンタルヘルスの不調は本人も気づかぬうちに進行している場合もあり、ラインケアはとても重要です。

ラインケアが機能すれば管理監督者を通じて課題に応じた適切な対処が動き出すため、従業員のメンタルヘルス課題解消に大きな前進が期待できます。

厚生労働省は、地域医療の基本方針となる医療計画に盛り込むべき疾病として、従来より「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」の4つの疾病を位置付けていましたが、2011年から「精神疾患」も加わり、これら5つの疾病対策に注力しています。

近年従業員の受けるストレスは拡大する傾向にあります。令和2年の調査では仕事に関して強い不安やストレスを感じている従業員が54.2%という結果を受けて、国民に広く関わる疾患として重点的な対策が必要と判断しています。

参照:厚生労働省 令和2年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

実際、仕事のストレスのため「うつ病」などの精神障害を発症し、労災と認定された件数は2021年に過去最多となりました。※3

このような中で、心の健康問題が従業員、その家族、事業場及び社会に与える影響はますます大きくなっており、事業場においてより積極的に従業員の心の健康の保持増進を図ることは非常に重要な課題となっています。今やメンタルヘルスは日本が抱える社会的課題となってきています。

※3 厚生労働省2021年6月23日発表 令和2年度「過労死等の労災補償状況」 表2-1 精神障害の労災補償状況

生産性の維持向上

ラインケアは健やかな組織運営と直結しているため、良好に保たれていると、生産性向上が見込めます。

理由は、ラインケアそのものが管理監督者と部下、つまり上司部下のコミュニケーションによって成り立っている点にあります。

ストレスや悩みを抱えて、ネガティブなメンタルヘルス状態が続けば、該当者本人だけでなくその周囲の部署の生産性にも悪影響が及ぶためです。ラインケアによって管理監督者が部下の不調にいち早く気付き、適切に対応することができれば、生産性低下はミニマムに抑えられることが考えられます。

それだけでなく、ラインケア、つまり管理監督者と部下のコミュニケーションが良好であれば、心理的にも安心し、意欲的に業務に取り組むことができます。

安全配慮義務

ラインケアは安全配慮義務の観点からも重要な役割を担っています。

平成20年3月に施行された労働契約法第5条は、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と安全配慮義務(健康配慮義務)に関する項目が明文化されています。

例えば、「うつ」を発症し業務軽減を訴えたものの受け入れられず、解雇されたため、解雇は無効であるとして、地位の確認と解雇後の賃金、慰謝料等を求めて提訴された「東芝事件」(平成26.03.24最二小判)があります。

このように業務や職場環境の影響を受けてメンタルヘルス不調に陥った場合には、安全配慮義務の法令違反を指摘され、訴訟に至るケースもあります。

ラインケアの推進は、法令遵守につながるという点でも重要であり、適切に実施されていない場合には企業にとってのリスクにもなり得ます。

ラインケアの具体策|部下の状態把握でいち早く気付く

ラインケアの具体策|部下の状態把握でいち早く気付く

組織の管理監督者によるラインケアとは、どういった取り組みなのでしょうか。

労務管理上、管理監督者による日常的な接点の中で「いつもと違う」という部下の様子に気付くことが重要です。

不調の兆候は千差万別で、度合いや異変は人によって異なりますが、一例として下記のようなことが挙げられます。

  • 勤怠の異変
  • 元気がない
  • 口数が少ない
  • 服装や髪形などの身だしなみが乱れている
  • 表情が乏しい
  • 著しく集中力がない
  • 業務量や納期、クオリティの異変
  • 言動の異変

一時的に上記のような異変が表れることは誰にでもあります。
しかし管理監督者は普段から接しているからこそ些細な異変に気付くことができます。

しかし、上記のような兆候の背後には、メンタルに関する不調ではなく、病気が隠れていることもあるので、状況によっては病院等で検査した方が良いケースもあります。

病気の有無の診断は産業医もしくは医師の仕事です。
そのためには管理監督者が部下の話を聞き、産業医のところに行かせる、あるいは管理監督者自身が産業医のところに相談に行く仕組みを職場内に作っておくことが望まれます。

上記の兆候の例の中でも、顕在化しやすい異変を下記にご紹介します。

勤怠の異変

心身の不調によりプレゼンティーイズムやアブセンティーイズムに陥っている場合は、勤怠へその状態が顕在化しやすいため、最も把握しやすい指標の一つです。
テレワークで出社しない勤務スタイルの企業や、交代勤務によるすれ違い、あるいは、外出が多い勤務スタイルなど、さまざまな働き方があるため、管理監督者であっても、顔を合わせる機会が少ないケースもあります。「実は頻繁に遅刻欠席していたが管理監督者が見ていなかった」などということのないように普段から心がけておきましょう。
顕在化しやすい勤怠の異変として下記が挙げられます。

  • 遅刻、早退、欠勤が増える
  • 残業、休日出勤が不釣り合いに増える
  • 休みの連絡がない(無断欠勤がある)

例えば遅刻が頻発している場合、なぜ?と理由を問い詰めるのではなく、いつもと違う様子がないかを確認しましょう。また遅刻や、当日欠勤はメンタル面で疲れている可能性もあります。酷くなるとある日突然、仕事に行けなくなる出社拒否の症状を訴えるケースもあります。

業務量や納期、クオリティの異変

過剰なストレスによって、業務に遅れが出たり、普段よりも結果が出せないといったパフォーマンス低下が起きることがあります。

またその後ろめたさ等から日報や週報などの定期報告や、状況相談が滞ることがあります。

職場での会話量や内容にも注意が必要で、以前よりも極端に喋らなくなったり、その逆、多弁になるという変化にも注目です。そういった変化はストレスにさらされているサインかもしれません。

  • 仕事の能率が悪くなる
  • 業務の結果がなかなかでてこない
  • ミスや事故が目立つ

言動の異変

表情や挨拶、服装等はメンタルヘルスによる変化が表れやすい項目です。

ストレスや体調不良があると、服装や身だしなみに意識が行き届かないことがあります。そのため、何日も洗濯しておらず匂いが気になるシャツを着たり、髪形やひげやメイクなどにもそういった変化が現れることがあります。

また言動の中でも挙動がおかしく落ち着きがないということや、逆に、活気がなくうつむいているという状態変化、ミス・事故が目立つようになるという変化にも要注意です。

  • 表情に活気がなく動作にも元気がない
  • 不自然な言動が目立つ
  • 報告や相談、職場での会話がなくなる
  • 服装が乱れたり、衣服が不潔であったりする

出典:厚生労働省 「こころの耳 15分でわかるラインによるケア」

診断を勧めるかどうかの見極め

異変に気付いても、「あれ?変だな。でも気のせいかな」あるいは「診てもらった方が良さそう」などの判断は難しいところです。では何を基準に判断すれば良いでしょうか。

それは、以前との比較です。管理監督者、あるいは周りが見たり接したりする中で、「いつもと違う」という気付きが重要です。

  • 今まで欠勤しなかった人なのに、当日欠勤が増えてきた
  • 穏やかな人だったのに、怒りっぽい、当たりちらしている
  • 人前で堂々と話す人だったのに、どもりが出たり、話せなくなった
  • 以前からやっていた業務なのに、何度も同じことを聞いたり確認するようになった

上記のような、「今までそうではなかったのに違ってきた」という場合には、診断が必要なケースがあります。一時的な兆候だけでの判断だけでは、なかなか判断できないこともあるため、従来と比較して明らかな異変の場合は1on1ミーティング等で話を聴き、診断を勧めましょう。

ラインケアの具体策|相談を受けた際の管理監督者の対応

ラインケアの具体策|相談を受けた際の管理監督者の対応

ラインケアにおいて、早期発見と同等に重要なのが、対応・対策です。

部下の異変に気付いた場合、あるいは部下自らの異変の相談を受けた場合、管理監督者にはどういった対応が求められるでしょうか。対応のポイントを紹介します。

相談しやすい環境をつくる

日常的に相談しやすい環境であり、「困ったことがあったら話そう」、「伝えたら適切なアドバイスや対応をしてもらえる」という、信頼に基づいた上司部下の関係であることがラインケアにおいて不可欠な前提条件となります。

一朝一夕に理想的な状態が築けるものではありませんが、常日頃のやり取りや行いからそういった環境ができていきます。心がけていきましょう。

傾聴する

管理監督者は、日常的に、部下からの自発的な相談に対応する役割を担っています。そのためには、部下の話をじっくりと聴くことがとても重要です。

日頃からこのような話の聴き方ができれば、上司と部下の関係は良い状態で維持されやすくなります。

傾聴のポイント

1.相手を受け止める

相手に対して関心を持ち、関心を持っていることを表情や態度で相手に伝える。
2.相手の立場に立つ
もしも自分が相手と同じような立場に置かれていたら、相手と同じようなことを言ったり、したりするんだろうなぁと考えながら、話を聞く。

そうすることが話の聞き方が批判的になることを防ぎ、相手に話を聴いてもらっているという気持ちを持たせる。

引用:厚生労働省 「こころの耳 15分でわかるラインによるケア」 P8

部下の状態によっては産業医や専門医等への相談を勧めることも有効です。

しかし中には、人に悩みを相談することに抵抗がある方や、大仰にしたくない、周囲から変な見られになるんじゃないか、などといった考えや不安から、部下本人が産業医等に相談することに心理的な抵抗を示す場合もあります。

そういった場合は、「産業医に話せ」「医者に行け」と強制したり、聞いた悩みを拒否するようなことはせず、「あなたの代わりに私が相談に行ってくるよ」と本人に伝え、合意を得た上で、管理監督者自身が産業医や人事、専門家等の第三者に相談し、その内容をフィードバックするなどの対応をしてみましょう。

自己流の対応をしない

「メンタル不調者を自分の部署から一人も出したくない」、管理監督者はそう考えるのが当然です。その実現に向けて、日々、部下と接している管理監督者の心得として3つのNG例を挙げます。

1.比較や押し付け言動に注意

「私が20代の頃は」「営業たるもの」など自身の経験や価値観と比較したり、押し付ける言動はNGです。同様にして、「最近の若い子は」「うちの会社は」などの大きな主語を使う点にも注意が必要です。
なぜなら、その価値観や括りに共感しない(できない)人が一定数いるからです。

押し付けられた、大きな括りに入れられた、という感情は反発を買い、共感されることなく次第に信頼を失っていきます。

2.適当な取りつくろいに注意

うわべを取りつくろっただけの言動は部下に着実に伝わります。
「適当に話を合わせただけ」「ちゃんと見てくれていない」「ちゃんと聞かずに頷いているだけ」という想いが募っていくと、信頼を失い、部下のモチベーションを下げることとなります。精神誠意、部下と向き合うことが本質です。

3.「ついうっかり」やる気を削ぐ一言に注意

「この仕事向いてないんじゃないか」、「もっと頑張ってよ」などの言葉は要注意です。励ます意図で口にした場合でも、些細な一言がモチベーションを下げたり、反感を買うことがあります。
気にかかる一言を言われた側は、長期にわたって忘れることができず、場合によってはトラウマに発展するようなこともあります。そういった「気付かない内の、ついうっかり」の言動で部下を追い込むことがあることを認識しましょう。

個人情報、人権へ配慮する

相談を受けた場合に重要なのは個人情報や人権への配慮です。

管理監督者は、部下の健康情報や個人情報の保護、また人権の保護や本人の意思尊重に努めなければなりません。これは人道的な観点からだけでなく、法令としても遵守する必要があります。

人事に相談したり、第三者に相談するなど、情報の収集・管理・使用に際しては、なんらかの方法で本人の同意を得ることが原則とされています。

このように、関連する法令や、社内規則を遵守し、コミュニケーションのなかで得た部下の情報を正当な理由なく他に漏らさないようにしましょう。

管理監督者も一人で抱え込まない

相談を受けた場合に、親身になって考え、何とかしてあげたいという想いや責任感の強さから、管理監督者が過剰なストレスを抱え込み、メンタル不調に陥ってしまうというケースがあります。

管理監督者も一人で抱え込まず、適切に産業医や外部機関、人事部門に相談をすることが重要です。

職場への復帰支援をする

メンタル不調で部下が一定期間休んで復職した場合、管理監督者の役割は非常に重要です。

管理監督者も周りも「早く慣れて、十分な仕事をして欲しい」と思ってしまうのは、気持ちとしては自然です。しかし一定期間休職していた人に、いきなり発病前と同等のパフォーマンスを期待するのは難しいことが多いです。

働くことに慣れる必要があるため、就業時間や業務量などへの配慮しながら、本人や人事と相談の上で徐々に復帰を進めていきましょう。

心理的安全性を高める

「心理的安全性」とは、自分がミスをしても非難されることがないという信頼をチームが築いており、対人関係の不安がなく仕事に挑戦ができる状態を指します。

「心理的安全性」は、良好な社内コミュニケーションを築くための大前提です。自分の言動が上司の叱責を招いたり、同僚の不信を買ったりすることがないという「心理的安全性」がなければ、いくらコミュニケーションの機会を設けても従業員は本音で交流することはできません。

実際に職場で「心理的安全性」を作り、高めていくためには、どのような施策、意識付け、または言動をすれば良いでしょうか?
下記に7つの方法と具体策をあげていきます。

1. 発言する機会を均等に作る

心理的安全性を高めるには、誰もが自由に発言できる環境を整えることが重要です。会議や打合せだけでなく、チームチャット等のバーチャルなコミュニケーションにおいても同様です。

  • 朝礼などで全員が均等に発言できるように、リレー形式の発言機会を作る
  • 細かい分野での顕彰制度などを設けて、普段、発言機会が多くない方からも話しを引き出す機会を作る

2. 互いを尊重し感謝しあう

基本的なことですが、チームや組織内の一人ひとりが互いを尊重することが重要です。これは、お互いの存在を受け入れて、信頼し、尊敬し合える関係性であるということです。
また感謝については「気持ちが大事」などの精神論ではなく、行動、言動を重視したものであることが重要です。

  • サンクスカードを送りあう
  • 対面やチャット等で感謝を直接伝える
  • チームや組織の顕彰制度を設ける

3. ポジティブな思考と言動を意識する

愚痴や不満などのネガティブな言葉は控え、ポジティブな言葉を発信できるよう、思考や言動を前向きにすることが重要です。飛び交う言葉によって組織やチームの士気、雰囲気はガラリと変わります。

4. 1on1の価値を高める

チームや組織の上司が部下一人ひとりと、目標や手段を確認・相談するため、対話する1on1の機会があります。この1on1の価値を高めることは非常に重要です。うまく活用することで、心理的安全性を高める効果が期待できます。

5. 新人をチームでサポートする

新卒や中途入社、異動など、チームや組織にとっての「新人」はさまざまな不安を抱えています。心理的安全性が高い状態で入ってくる新人はいないでしょう。そのため、受け入れる側、すなわちチームや組織の側で、新人をサポートすることが重要です。

6. 評価方法を見直す

個人の成果や業績に基づいて評価すると、「頑張った分だけ評価してもらえる」というメリットがある反面、「ミスができない」や「Aさんに負けた」、「同期と差ができてしまう」といった不安を植え付けることもあり、心理的安全性の面ではマイナスに働くケースもあります。心理的安全性を高めるためには、評価方法を見直してみることも効果的です。

7. チームや組織編成を見直す

チームや組織編成の見直しとは、つまり組織図を見直して新たな部署やチームを作ったり、人員の配置を変えることです。
思い切りを要しますが、人が変われば組織が変わるため、新しく人間関係を構築するという点で心理的安全性の面においてもリセットされるでしょう。

関連記事:心理的安全性の作り方、マネジメントの役割を解説

企業としての対策|管理職向けメンタルヘルスの教育研修

企業としての対策|管理職向けメンタルヘルスの教育研修

組織のメンタルヘルスケア対策として、ラインケアの重要性とその具体策について解説しました。

管理監督者は部下を、さまざまな側面から見て聞いて感じ取りながら業務を進めていくものですが、ラインケアはその職務の一部となります。そのような職務であることを意識させ、適切に行っていくためには、定期的に管理監督者向けの研修を実施するのが良いでしょう。

管理職に向けてどういった教育研修が重要でしょうか。下記にご紹介します。

メンタルヘルスケア研修

メンタルヘルスケアの教育機会は管理監督者にとって重要です。管理監督者は組織をマネジメントする立場であるがゆえに、非常に大きなプレッシャーやストレスを抱えています。

また、部下からの相談に適切に対応するためには、メンタル疾病に対する偏見を持っていては適切に対応できないことがあります。偏見は教育研修によって一定の改善が見込めます。

そういった意味合いでも、メンタルヘルスの教育研修の機会を設けることが大切です。

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管理監督者へのラインケア研修

部下の状態把握でいち早く気付くことが重要であると分かってはいても、日常の言動において、どういうことが求められるのか、あるいは、どういうことがNGなのか、具体例と考え方を管理監督者(マネジメント層)にしっかりと教育研修していきましょう。
ラインケアは、単にコミュニケーション量を増やせば良いというものではありません。
話をしたくなるような関係性の構築、「HELPを発しても良いんだ」という安心感や、「上司は話を聞いてくれる」と思わせる信頼性など、さまざまな前提があって初めてラインケアは成り立ちます。管理監督者が正しく知識を持ち合わせた上で、日々の業務に当たるために、情報提供や教育研修が重要です。

ハラスメント研修

管理監督者にとってハラスメントに関する知識やトレーニングの場は重要です。

昨今、パワハラ、セクハラ、マタハラ、アルハラなどさまざまなハラスメントがあり、注目を集めているため、言葉は耳にしていても、どんな行為が該当するのかを正確に把握している方は少ないでしょう。

そのため、知らず知らずのうちに相手にとって不快と取られるようなハラスメント発言をしてしまったというケースが少なくありません。

ハラスメントの難しい点は、不快な対応を受けたと感じても、「口が滑ったんだろう」と受け流してしまうケースが多いことです。ハラスメントを受けたことを訴えなければ、発言者も、組織も気付くことがありません。こうして、じわじわと被害が深刻化するまで組織内でやり過ごしてしまうというケースがあります。

もし、発言者が管理監督者である場合は、なおさらクリティカルなものとなります。権力者からの言動は、受け取られ方によっては暴力的に捉えられかねないためです。そのため、管理監督者にはその自覚を持ち、常に注意を払いながら言動する必要があります。

そういったリテラシー向上のためにも、ハラスメントの教育研修機会を年に1回程度、設けると良いでしょう。

心理的安全性の研修

ラインケアが適切に行われていれば、従業員のモチベーションや活気、円滑なコミュニケーションなどさまざまな面で作用し、組織を動かす機動力が醸成されます。

この前提条件として、心理的安全性があります。

心理的安全性が高い状態を作るには管理監督者が鍵となります。心理的安全性の作り方には多くの議論があり、そのエッセンスを取り入れることで組織の活性化につなげることができるため、ぜひ管理監督者向けの教育研修に取り入れてみてください。

コミュニケーション研修

コミュニケーション力は管理職にとって必要不可欠なスキルです。管理職は、経営層・上司と同じ視点で話すだけでなく、自分と同じような他部署の管理職、部下といったように、異なる階層の社員と積極的にコミュニケーションを取る必要があります。

コーチングスキルを鍛える

指示・命令型の指導方法が中心だった日本のビジネスシーンにおいてコーチングはすでに注目を集めており、今ではコーチングは管理職に求められる重要なコミュニケーションスキルとして確立しています。

コーチングの基本的な考え方は、部下のなかに可能性があるというものです。目標達成するために、管理職が部下の潜在的な能力や可能性を引き出し、可能な限り理想に近づける手法です。

厳しいビジネス環境下で部下の能力を発揮させ、かつメンタル不調を回避するために、管理職が部下を継続的にサポートする重要性が高まっています。

モチベーションマネジメント研修

上司部下のコミュニケーションには、報連相などの業務に関するやり取りだけでなく、やる気を引き出したり、組織への帰属意識を高めるといった、業務を円滑に進行するための要素も重要です。

従業員のモチベーションの向上にはさまざまな要素があり、上司部下の関係性だけで完結するものではありません。しかし、上司部下とのコミュニケーションによって担保できる要素もあります。

一例として、ポジティブな言葉を使うこと、傾聴すること、承認欲求を満たすこと、ポジティブな目標設定をすること等が挙げられます。これらは上司である管理監督者のコミュニケーションのスキルであるため、教育研修の機会を設けることで向上が見込めます。

RIZAPのマネジメント層向け健康セミナー「モチベーションマネジメント」

RIZAPウェルネスプログラムには管理職向けのモチベーションマネジメントセミナーがあります。

これは管理職の方が、目標達成するための目標設定方法や影響力の方程式、部下のモチベーションを上げ、組織を成功に導くための方法など、RIZAPのコーチング術を学べるセミナーです。

RIZAPには「結果にコミットする。(R)」の事業コンセプトのもと、「食事管理・運動指導・メンタルサポート」を柱とするRIZAPメソッドでお客様のボディメイクを実現してきた実績があります。

食事や運動などの生活習慣を変えて、体を作っていくボディメイクにおいて、メンタルのマネジメントは非常に重要です。RIZAPトレーナーは入社後の研修とOJTにより、お客様のモチベーションを上げ、出来ないと思っていた目標を達成し、結果を出していくためのコーチングノウハウを身に着けています。

そのノウハウをビジネスシーンに置き換え、管理職の重要スキルであるモチベーションマネジメントの向上を目的としたセミナーに落とし込んだ内容です。

管理職に向けたセミナーについてご検討の場合はお気軽にRIZAPにご相談ください。

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「健康経営」で効果的にメンタルヘルス対策を

ここまで見てきたようなメンタルヘルス対策に加え、より効果的に対策を実施するために近年重視されている「健康経営」の視点を取り入れることも大いに役立ちます。

健康経営とは、『従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法』です。

あくまで企業が用いる経営手法ですので、従業員の健康を促進することは手段であり、目的は組織の活性化・生産性の向上であり、最終的には業績向上、企業価値の向上を目指します。

健康経営として健康プログラムの推進やメンタルヘルス対策を練ることで、事故や傷病予防だけでなく、ストレスの要因への対処や適切なワークライフバランスの達成が可能になります。

健康経営の取組みとして、「ストレスチェックの実施」「職場の活性化」「メンタルヘルス不調者への対応」「特定保健指導の推進」など従業員の健康増進につながる項目が含まれています。

また、「運動機会の増進」や「長時間労働者への対応」「職場環境の改善」といった間接的にメンタルヘルスに関わるような取り組みも含まれているため、より効率的に従業員の健康を保持・増進ができ、生産性の向上へ取り組み効果を最大化することができます。

関連記事:【徹底解説】健康経営の取り組み方│企業にもたらす効果や事例

関連記事:職場環境の改善アイデア|組織向上への取り組みと成功事例

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